2017年3月モチゼミ「学ぶ意義って、何ですか?」

 開催日: 2017年3月

2017年3月モチゼミ「学ぶ意義って、何ですか?」
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イベント内容

ご講演は亀岡さんの自己紹介から始まりました。
足が速くおばあちゃん子な「亀ちゃん」こと亀岡さん。
現在どのような活動をされているかということにも触れていただき、生徒たちもだんだんとイメージがわいてきました。

そしてその後は、2色の付箋を用いて簡単なアイスブレイクを行っていただきました。

  • 「朝パンを食べてきた人は赤、パン以外のものを食べてきた人は青」
  • 「運動部に所属している人は赤、運動部以外の人は青」

といったように「自分に関するちょっとしたこと」を考える場です。
二択の問題だと答えが出しやすいですね。

さて会場が温まってきたところで、本題に入ります。

「学ぶ意義って、何ですか?」

授業を聞くこと=学ぶこと、なのでしょうか。

いいえ、そうではありません。
「学ぶ」、とは「自分にしか見えないものを見る」ための手段だと亀岡さんはおっしゃいます。

見えない部分を見ようとすると、その実態はまったく違うものであることがあるのです。

では、「自分にしか見えないものを見る」ときに大事なものは、いったい何なのでしょうか。

それが「問う力と決める力」です。

学ぶことを通して私たちは色眼鏡を付け替えることができます。
これこそがまさに教育がこの世に存在する意味なのです。
一つの方向、方法からしか考えられなかったことや見えなかったこと、それらを多角的にみられるようになるのです。
そして多角的に物事をとらえ問うことが可能になったとき、私たちは以下のことができるようになるのです。

まず一つ目は「アイデアを練る」ということ。
ガリガリ君はどのような問いからできた商品か、ご存知ですか?

そして二つ目は「科学的に考える」ということ。
ポカリスエットやアクエリアスは、ある一人の男性の素朴な疑問から生まれたものでした。

そして三つめは「人間をよく観る」ということ。
たった一人で何十人かの幼稚園児を連れて歩くとき、あなたはどこを歩くでしょうか。
ここで活きてくるのが「太上は之下有るを知るのみ」という老子の教えです。

そして最後の四つ目は「社会の仕組みを変える」ということ。
戦時中というのはどうしても物資の供給が滞ります。

しかしその状況も、「どうしたら戦争のときに必要なものを平和な時に準備できるのだろう?」という問いが救ったのです。

そしてここからは亀岡さんご自身の「問い」と「決断」についてお話ししていただきました。

  • 「なぜ自分でもできることを教わるのだろう?」
  • 「のびのび自分の興味関心に集中する時間がないのはなぜなのだろう?」
  • 「なぜ教育現場では勉強という一つの指針で評価されるのだろう?」
  • 「勉強以外が優れている学生が自信を失ってしまうのではないか?」

学生時代から現在に至るまで、亀岡さんは常に考え、そして決めることを絶えず繰り返し行っておられます。
亀岡さんご自身の経験されたことやお考えになっていることを聞いて、考え、問い、そして決める、ということに対してイメージが深まってきました。

.そしてこれからは、「普通の人が普通以下の人になる時代」がやってくると亀岡さんはおっしゃいます。
では、普通以下の人にならないためには何が必要か。
それは「自分がどの軸で頑張るかを決めること」。
本決めを最初からしようとする必要はありません。

しかし何も決めず、ふわっとだらっと過ごすのではなにも見つからないし、進みません。
仮でもいいから、決めて問うことが大切なのです。
そうすることで自ずと自分の世界も見えてくるものなのです。
そして仮決めをしたらそのことについて自分自身でもっと深く調べてみること。
途中でその道が違うと判断したら、引き返して、改めて広く調べてみること。
この繰り返しで、私たちは自分自身で生きる道を切り拓いていくのです。

問うことと決めることで、学びが始まる。
そしてその学びによって、問う力と決める力がさらに強固なものとなる。

まさに学ぶことの意義を、改めて感じさせられた二時間でした。

講演に参加した生徒からは

  • 「自分は今まで何も決めずただだらだらと勉強をする中に入っていました。なのでこれからは目的などの今後自分がしたいことなども考えながら勉強などしたいです。」
  • 「たくさんの人の意見を聞いたりして多角的な視点をもつことも「見えない部分」を見ることにつながっていくのかなと思った。」
  • 「すごく面白くて、話を聞きながらこれから自分はどうやって、人生で問うて決めていこうか楽しみながら考えられた。」

との感想をいただいております。

中高生にとって、これからの人生を考える、そして将来に関して自分自身で決定するというのはとても重要です。
まだやりたいことや進みたい道が見えていない者も、自分で納得した道をすでに持っている者も、改めて自分自身に問い直し、これからの将来を考える良いきっかけになったのではないでしょうか。

講師 亀岡恭昂かめおかやすあきさん

東京大学教育学研究科教育心理学コース 東京大学公共政策大学院人材政策研究ユニット 慶應義塾大学SFC研究所所員 一般社団法人Fora共同代表
亀岡恭昂

人生の目標は「誰もが自分なりの問いやテーマを探究できる社会をつくる」こと
【小中高校生時代】
小中高と公立の学校に通う中で、国数英理社ができる生徒ばかりが評価され、その他の才能が見向きもれない環境に疑問を持つ。
色々と考えた結果、この環境を変えるには総理大臣になるしかないと思って猛勉強。
【大学生時代】
東大に合格。
大学では、元文部科学副大臣の鈴木寛などに私淑しながら教育政策を学ぶ。
様々な政治家の選挙を手伝い、文部科学省でもインターンをするなかで、政治の限界を痛感。
教育現場にどのように貢献できるかを考えるようになる。
大学3年生時に、「秘密基地College」を立ち上げたのをきっかけに、NPO法人ISLで「7DAYS program」のプログラム・ディレクター、一般社団法人Foraの共同代表、Schipの立ち上げなどを行い、同時並行で、教育学を研究。
【現在と今後】
東京大学公共政策大学院人材政策研究ユニットで働きながら、東京大学大学院教育学研究科の修士課程生、慶應義塾大学SFC研究所所員として教育学の研究を継続。

講座名
2017年3月モチゼミ「学ぶ意義って、何ですか?」
講師
東京大学教育学研究科教育心理学コース 東京大学公共政策大学院人材政策研究ユニット 慶應義塾大学SFC研究所所員 一般社団法人Fora共同代表
亀岡恭昂さん
開催日時・期間
2017年3月

モチベーションアカデミアは、「やる気」と「勉強の仕方」にこだわる塾です。

受験に合格する上で必要な知識・解答力だけでなく、自立力・主体性・やる気までを指導範囲としています。
個別のカウンセリングとコーチングによって、自ら勉強に取り組めるように導いていきます。
授業では、本質を問う訓練をくり返し、基礎知識と応用力を身につけ、教わったことを「自分で使いこなす」という勉強の仕方を学びます。
結果として、学生生活における勉強や受験だけにとどまらず、自ら抱いた夢に向かって、計画的に、積極的に挑み続ける力が身につきます。
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