「新しい文化・カルチャーを創る」~チョコレートを新しくする~
モチゼミ 開催日: 4月23日(日)14:00~16:00
イベント内容
何かを自分発信で世に送り出すこと。
新しい可能性を世の中に提供すること。
チョコレートを通してこれらの挑戦を続ける山下さんならではのパイオニア精神。
新たな文化を「創る」とは一体、どのようなことなのでしょうか。
まず、山下さんが、なぜチョコレートを選んだのか?
それを以下の3つの観点からお話していただきました。
- MUST(やらないといけないこと)
- CAN(できること)
- WILL(やりたいこと)
まず、「1」に関して。
日本では世界で類を見ないスピードで少子高齢化が進んでいます。なんとか日本発の取り組みを世界に広げて日本の産業を盛り上げなくてはいけないと考えました。これが山下さんにとって「やらないといけないこと」でした。
次に「2」に関して。
山下さんは会社を立ち上げる前は、コンサルとして働いていたので、コンサルティングやそこで培った「論理的思考」というものが山下さんの「できること」でした。
そして「3」に関して。
クリエイティビティやデザイン思考を使いながらビジネス実践ができるブランド経営が山下さんの「やりたいこと」でした。
この3つが重なる部分に、Bean to Barの事業は位置します。
現在の会社の社員でシェフとなるメンバーが経営していたスペシャルティコーヒー店で一緒にカカオ豆の焙煎からBean to Bar Chocolateを作り、カカオ豆の違いによるチョコの味の違いに感動したという体験もあって、事業を立ち上げたということです。
さて、ここまで何度か「Bean to Bar」という言葉を書かせていただきましたが、そもそも「Bean to Bar」は何が特別なのでしょうか?
一般的に、チョコレートの製造過程には、豆から生地にする一次加工メーカーと生地からチョコレートの製品にする二次加工メーカーが存在します。
それに対して、豆からチョコレート製品になるまですべて自社で行っているのが、Bean to Barなのです。
そんなBean to Barを通じて、山下さんにはやりたいことがあります。
それは、「チョコレートを新しくする」ことです。
チョコレートを新しくすることは次の3つの要素から成り立っています。
①量から質へ
一般的なチョコレートは、カカオ豆を仕入れるときには、量を重視します。良い豆も悪い豆もすべて同じように仕入れます。その後、すべて一緒に生地にして砂糖などをたくさん加えることで、豆の良し悪しの影響が少なくなるようにします。
一方、山下さんは、「良い豆」を選ぶことにこだわりを持ちます。実際にアジア・アフリカ・中南米の農地に足を運び、良質な豆を見極め仕入れます。
しかし、カカオ豆農家の人たちは、おいしいチョコレートになるようなカカオ豆はどのようなものか、というのを知りません。そこで、農園でチョコレート作りワークショップを開きます。良い豆と悪い豆、それぞれで作ったチョコレートを食べ比べて実際に味の違いを感じてもらいます。そうして、チョコレートにしたときにおいしくなるようなカカオ豆はどのようなものかを、彼らの五感をもって理解してもらうのです。
山下さんは、「良質な豆を選ぶこと」と「豆の質を上げること」にこだわりをもって世界を飛び回っています。
②新しいチョコレート
ここで、生徒たちひとりひとりに5つの小さなチョコレートが配られました。ぞれぞれ、ハノイ、ベトナム、トリニダードトバゴ、ガーナ、タンザニアのカカオ豆から作ったチョコレートです。食べてみると、ざくざくしています。それはカカオ豆本来の香りや味を残すためだそうです。
生徒たちは、カカオ豆によって味や香りが違うことを体感します。一番好きだと思ったチョコレートもばらばら。
山下さんは、カカオ豆ごとに、焙煎温度や時間、調理工程などを変えているそうです。そうしてカカオ豆が本来持つ良さを引き出しているのです。
③新しい楽しみ方
チョコレートは、それだけで食べるのではなくて、他の要素によってももっと楽しめるようになると山下さんは説明します。
例えば、音楽を聴きながら楽しむということ。
専用のアプリでパッケージをかざすと音楽が流れ始めます。CarpentersのClose To Youのおしゃれアレンジが流れはじめ、まるで自分がおしゃれなカフェにいるかのような気分になりました。
カカオ本来の味わいや香りを引き出しながら、多様でおもしろい新しいチョコレートの消費スタイルを広めていきたい。
日本発で日本的なチョコレートで新しい文化を発信する。
山下さんは、そんな思いで活動しておられます。
最後に自身の中高時代を振り返り、今の自分との繋がりを説明されました。
山下さんの中高時代のポイントは3つ。
①サッカー
山下さんは部活動でキャプテンとなり、チームを厳しく引っ張っていく中で、様々な衝突や葛藤も経験されました。
しかしそのような経験の中で仲間やチームに対する考え方を着実に育まれたようです。
②服・音楽
中高時代、ファッションや音楽が大好きだった山下さん。
自分の好きなものを突き詰めていくことを学んだり、カウンターカルチャーへの意識を持ったりと、服や音楽に没頭したことから得たものは大きかったようです。
③勉強
山下さんは学生時代、部活動へ打ち込む一方で勉強も頑張っていました。
そこで勉強も頑張っていたことが今の自分につながっていることを振り返り、努力・真面目であることの大切さを教えてくださいました。
講演に参加した生徒からは、
「仲間をつくる、好きなことをする、コツコツするという3つの軸がしっかりしていれば、どんなことも乗り越えられるという山下さんの生き方、コンセプトに感動した」
「チョコの新しい楽しみ方に驚いた」
「文化をつくっていく商品などに興味をもった」
との感想をいただいています。
山下さんの生き方は非常に魅力的で、中高生が自分たちの生き方や将来の働き方について考える良い機会になったのではないでしょうか。
講師 山下貴嗣 さん
株式会社Bace代表取締役社長/Minimal -Bean to Bar Chocolate- 代表中高時代はサッカー部に所属。サッカー三昧な中高時代を送る。
高校ではキャプテンとして県大会ベスト4になる。
大学は慶応義塾大学に進学し、卒業。
卒業後はリンクアンドモチベーションに就職。営業、コンサルタントから、マネジメントまで経験。
日本発の世界ブラントを創ることを志して、チョコレートを豆から製造するというBean to Barという文化に出会たことを機に、チョコレートの製造物販ビジネスで独立。
チョコレートを豆から製造する Bean to Barブランドを日本発で創っていくことで生産者と消費者を近づけて、持続可能な新しい価値を世の中に提供できる可能性を見出す。
良質なカカオを求め、自ら赤道直下のカカオ生産国を訪れる。
自分の目で見て、肌で感じたカカオ豆の可能性を信じ、チョコレートで新たなカルチャーを創るべく奔走中。
- 講座名
- 「新しい文化・カルチャーを創る」~チョコレートを新しくする~
- 講師
- 株式会社Bace代表取締役社長/Minimal -Bean to Bar Chocolate- 代表
山下貴嗣さん - 開催日時・期間
- 4月23日(日)14:00~16:00
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