MOTIVATION THEATER「イミテーション・ゲーム~エニグマと天才数学者の謎~」

 開催日: 2017年6月

MOTIVATION THEATER「イミテーション・ゲーム~エニグマと天才数学者の謎~」
このエントリーをはてなブックマークに追加

イベント内容

映画の鑑賞を通して生徒の知的好奇心を刺激し、且つこれから先の人生を生き抜いていくために自分はなにを心がけるか、どのような考え方が活かせそうか、作品の登場人物の振る舞いや言動、ストーリーを基に考え、そしてその考えを深めることを目的に開催される「モチベーションシアター」です。

2017年6月の鑑賞作品は「イミテーション・ゲーム~エニグマと天才数学者の謎~」です。

一人の天才数学者の人生から見えたものとは?

舞台は第2次世界大戦下の1939年イギリス。
ドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となった若き天才数学者アラン・チューリングの功績を追った、世界から孤立した英雄とされる実在した一人の数学者のお話です。

モチベーションシアターでは、映画鑑賞に先立って、映画の時代背景や歴史背景について事前講義を実施しております。
講義を聞くことによって作品に対するイメージが深まり、より作品の理解が深まると考えるためです。

今回の事前講義は、1939年という年についてと「エニグマ」というキーワードについて、そして主人公のアラン・チューリングについてお話ししました。
1939年というのは第二次世界大戦が始まった年です。
そして今回の鑑賞作品イミテーション・ゲームは、まさに1939年のイギリス、ドイツ間の戦争勃発を契機としてストーリーが展開されます。
なぜ第二次世界大戦は勃発したのか、エニグマとは一体何なのか、そして「天才数学者アラン・チューリング」とはどのような人物なのか......

まさに物語の核となる知識をしっかりとつかみ、次はいよいよ作品鑑賞に移ります。
今回の作品はエニグマと呼ばれる暗号システムの仕組みを明らかにすることを目的として主人公を中心にチームが奮闘する内容です。
そのため物語の軸になるのは暗号理論やコンピューター、マシーンといった理系的な知識ですが、そこを取り巻く登場人物たちの人間模様や国家の機密組織として働くということ、はたまた主人公のアラン・チューリングが抱える秘密といったものは、深く考えさせれるものばかりでした。
参加生徒もみな2時間という決して短くない時間ではありましたが、じっと真剣なまなざしで見入っておりました。
120分という時間の中にふんだんに散りばめられた要素の一つ一つにきちんと気が付き、自らの意見をはぐくんでいたのでしょう。

そして鑑賞のあとは、作品中に出てきた気になった事柄について教室のみんなで考えます。

今回扱った点は2点、「AIと人間の違いは何か」そして「LGBTは罪として罰せられることなのか」についてです。
作品中で主人公のアラン・チューリングは機械と人間の違いについて言及し、そのうえで彼自身はマシーンなのか人間なのかと警官に問を投げかけます。
そもそも「イミテーション・ゲーム」とはコンピューターの思考能力を判断するために行われる試験のことで、機械と人間にそれぞれ同じ質問をし、その返答をどちらが機械のものでどちらが人間のものかを隠した上で、第三者に機械の答えと思われる方を選択してもらう、というものです。
そこで作品中アラン・チューリングは警官にイミテーション・ゲームを挑み、自分自身について問うたのです。
戦争中に国家の機密機関の一員として長年生活してきた彼は彼自身の存在に葛藤し、そして悩みながら人生を歩んできたことがうかがえる印象的なシーンでした。

さて、AIと人間は何が違うのでしょうか。
これは非常に難しく幅の広い問で、いまだに答えが出ていない問でもあります。
しかし考える必要性は十分にある事柄ではないでしょうか。

昨今AIや人工知能という言葉は広く世に蔓延っておりますし、今まで我々人類が行ってきた仕事さえ、彼らにとって代わられつつあります。
その中で人間とはなにか、人間と機械の違いとは何かを考えることは決して無駄ではありませんし、今回のディスカッションでも生徒たちは生徒たちなりの考えを述べてくれました。
話し合いの場には講師も参加し、生徒と講師の間で互いに指摘しあい考えを深めようと頭を使うこの時間が、作品鑑賞前の事前講義、そして作品の鑑賞を経て得られる大切な時間なのです。

LGBTに関しても同様、作品内で明らかになったアラン・チューリングの秘密から考えを深め、「個性ある一人一人の自由がもっと認められるようになる社会に貢献したいと思った」との意見を述べてくれた生徒もいました。
取り上げたのは一つの例ですが、そこから思考を派生し、自分に置き換えて考えれるというのは立派な能力の一つです。

教室内で他者と意見を交換することにより、自分では気付かなかった新たな視点や意見に触れるというのも、このモチベーションシアターの持ち味の一つです。
意見の発信と受信を通じて、考えを深めてゆくきっかけとなります。

今回のモチベーションシアターにしてくれたモチゼミ生の声をご紹介

  • 「同じ映画でも観た人によって学ぶことが違ったりするのは面白いと思った。」
  • 「感情的にではなく、論理的に判断することを学んだ。」
  • 「不可能なことを成し遂げるにはチームワークが必要で、そして一人で達成しようとせず、チームワークをよくしたりみんなで考えたりしていくことが大切だと思った。」
講座名
MOTIVATION THEATER「イミテーション・ゲーム~エニグマと天才数学者の謎~」
講師
モチベーションアカデミア講師
開催日時・期間
2017年6月

モチベーションアカデミアは、「やる気」と「勉強の仕方」にこだわる塾です。

受験に合格する上で必要な知識・解答力だけでなく、自立力・主体性・やる気までを指導範囲としています。
個別のカウンセリングとコーチングによって、自ら勉強に取り組めるように導いていきます。
授業では、本質を問う訓練をくり返し、基礎知識と応用力を身につけ、教わったことを「自分で使いこなす」という勉強の仕方を学びます。
結果として、学生生活における勉強や受験だけにとどまらず、自ら抱いた夢に向かって、計画的に、積極的に挑み続ける力が身につきます。
モチベーションを高める教育とは?
モチアカ会社概要