新しい共通テストの化学はどう対策したらいい?

新しい共通テストの化学はどう対策したらいい?

センターから共通テストに切り替わることで、化学の問題は具体的にどのように変わるのでしょうか。
また、それに対してどのような対策をしていけばいいのでしょうか。教えてください。

2021年実施分から、従来のセンター試験がいわゆる新共通テスト(正式には大学入試共通テスト)に変わります。
試験の名称だけでなく、その出題傾向も大きく変わります。本記事では、特に化学に絞って、新共通テストに向けてどのような対策をしていけばよいかを紹介していきます。

1. センター試験と共通テストの違い

数学・物理やその他科目同様、新共通テストの化学でどのような出題傾向がとられるかを知ることが対策の第一歩になります。従来のセンター試験と比較しつつ、新共通テストの特徴を見ていきましょう。

化学のセンター試験と新共通テストの違いをまとめると、以下に示した通りです。

・一つのテーマに対し多角的な視点で設問を置く形式が増えた。

センター試験では、各大問のテーマは「理論」「無機」「有機」などのように別れてはいましたが、各小問での具体的な問題設定や内容はバラバラです。一言で言うならば、「教科書の内容を広く浅く問う」というものです。
一方、新共通テストでは、あるテーマに対して様々な視点で設問を置く形式の問題が増えました。淡々と知識を問うセンター試験とは対照的に、新共通テストでは問題で扱っているテーマや意図が見えやすくなりました。

・日常生活に絡んだ出題がなされるようになった。

こちらは数学や物理と同様です。
例えば、平成29年度の試行調査の問題では、COD(化学的酸素要求方)に関する問題が、平成30年度のものではグルタミン酸などのうま味成分を化学的に考察する問題が出題され、化学が実生活で応用されている例や身の回りの物質を化学的に紐解くという傾向の問題が多くなりました。
数学や物理と同様、化学の様々な応用について幅広い興味を持つことが効果的だと考えられます。

ここまでは新共通テストになって変わったことを上げてみましたが、数値・データを用いた計算や実験を題材とした問題設定などはセンター試験と変わらず存在します。
具体的な数字を使った問題に慣れておくことが有効でしょう。

新共通テストの試行調査の問題について、平成29年実施分と平成30年実施分の2年度分がインターネットで公開されています。
記事の最後に新共通テストの試行調査の問題とセンター試験の過去問のリンクがありますので、時間がある時に1年度分だけでも解いてみてください。自分が目指すべきレベルと自分がすべきことを知る良い機会になるでしょう。

2. 本質を固めよう

前節で、新共通テストの特徴を紹介しました。
では、新共通テスト対策において具体的に何をすればいいのでしょうか?数学や物理の新共通テストに関する記事でも述べたように、重要なのはやはり「本質」の部分です。
具体的には、数学や物理でも述べた「概念の理解」に加え、化学において特徴的な「暗記事項の裏にある論理の理解」をすることが大切です。

・化学用語の概念の理解

「酸・塩基とは何か、電気陰性度とは何か、イオン化傾向とは何か、芳香族とは何か」のように、化学で出てくる概念の意味を説明できるようにすることは非常に大切です。用語の定義の理解が曖昧だと、教科書の説明文や問題文をそもそも理解できないです。
数学や物理同様、まずは概念の定義を抑え、知識の基礎を打っていきましょう。「自分の言葉で他人に説明できる状態」を目標として目指してみてください。

・暗記事項の裏にある論理の理解

化学は暗記に頼らざるを得ない場面が多いため、ついつい丸暗記で乗り切ろうとしてしまう方が多いと思います。
しかし、丸暗記では知識を定着させることは難しいです。「定期テストのために頑張って覚えたことが3日後には全て抜けていた」といった惨劇に見舞われた方も多いと思います。
このようなことを防ぐ上で大切なのは、「暗記事項の裏にある論理を抑えること」です。
例えば、原子の電気陰性度(共有電子対を引きつける性質)の強さの順番については「周期が小さいほど&族が大きい元素の原子ほど強い」という大まかな法則性があります。
これには、「周期が小さくかつ族が大きい元素の原子ほど、原子サイズが小さくかつ原子核の電荷が大きいので、結合を作ったときに共有電子対を引きつけやすい」という論理的説明ができます。
化学では、電気陰性度以外の事項についても、裏にある一貫した論理で法則性を説明できるものがたくさんあり、知識と論理をセットで抑えることでより深く記憶を定着させることができます。(場合によっては大学の範囲に絡むものもあるので注意が必要です。どこまで論理を把握しておくべきかは、学校の先生や塾の講師などに相談してみてください。)

化学は、暗記が必要な場面が多いという、数学や物理とは違った特徴のある科目ですが、「本質」に着目する重要性はどの科目も変わりません。
そして、毎度述べていることになりますが、本質に沿った勉強法は受験後の勉強(大学や社会など)でも大いに役立ちます。受験という機会に是非「本質」を意識した勉強法を身に付けましょう。

【参考】
新共通テストの試行調査問題とセンター試験の過去問題のリンクを貼りました。答えは、解答のみで解説はないので、解けなかった問題は学校の先生や塾の講師・チューターに質問してみてください。

大学入試共通テスト 試行調査問題・解答
平成30年度平成29年度
大学入試センター試験 過去試験問題・解答
過去3年分の試験問題
公開: 更新:

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授業では、本質を問う訓練をくり返し、基礎知識と応用力を身につけ、教わったことを「自分で使いこなす」という勉強の仕方を学びます。
「対話型授業」を通して思考力を高め、「本質的な学力」を獲得します。

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