「古典」の勉強法・学習の悩みと解決策

「理系だから」は関係ない!
センターで後悔させない「古文脳」の作り方

古文は文理問わずほとんどの人がセンターや一般入試で必要となる科目ですが、いざセンター試験となると「もっと勉強しておけばよかった…」と後悔する人が多い科目でもあります。
しかし、古文は勉強すれば必ず得点に繋がる魅力ある科目です。
「古文は苦手」「後回しにしよう」と手を付けないでおくのは実に勿体無いことです。
筆者は理系ですが、センター・二次試験と古文を得点源にして大学受験を成功させました。
ここでは「古文を得点源にするための勉強法をご紹介したいと思います。

1. 古文を勉強しないと勿体無い理由とは

得点の観点から言うと、センターでは200点のうち50点を古文が占めます。
センター国語は他の教科に比べて安定した点が取りにくく、その中で確実に点を取りに行けるのが古文・漢文です。
実のところ古文より漢文の方が文も短く得点源となりやすいのですが、全員ある程度点を取れてしまうため差がつきません。
漢文を確実に取った上で、古文で他を引き離そう、と言う作戦です。
冒頭で述べた通り、古文は勉強すれば着実に点が伸びる、裏切らない教科です。
わかりやすくセンターを挙げると、例年小問3つが意味を問う問題で、大問1つは傍線部の品詞や意味を聞いてきます。
ここまでで20点程度あります。自分は読解力がないから…と嘆いている理系生も、ここは確実に取れる"はず"です。

では、なぜ古文を苦手とする人が多いのか。
それは、「このように勉強すれば伸びる」ということがある程度わかっており、理系生は特に2次試験で必要となる人が少ないため、「直前にやればいいや」と後回しにした結果、本番に間に合わない受験生が後をたたないからです。
「勉強すれば着実に点が伸びる」とは言え、理系教科と異なり点数に反映されるのに時間がかかるので油断は禁物です。
大事なのは高校3年間かけて、じっくりと「古文脳」を作ることです。
そうすれば、受験直前の大事な時期に他の配点の大きい教科に時間を割くことができます。

2. 古文を得点源にする具体的な勉強法

「そんなこと言っても苦手なものは苦手」と思う方も多いかもしれませんね。
ここからは具体的な勉強法を私の経験談を交えつつお教えしたいと思います。
学年別にポイントを記載していますが、順に勉強することが重要になってくるので高2・高3生も下の学年に向けた勉強法も合わせて読んでいただき、必要に応じて自分の学年に向けた勉強法と組み合わせながら進めて行ってくださいね。

To 高校1年生 活用と助動詞を味方につけよう】

1年生の時点で古文に手をつける人はそうそういません。
1年生は他の教科におわれることもなく余裕があったため、その時期に古文の土台を築けたのが大きなポイントだったかな、と私は思います。

古文の品詞の中で活用するのは動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の4つ。
これらの活用を覚えましょう。
私は声に出すと覚えやすいタイプだったので、リズムをつけて声に出して読んでいました。

助動詞は個人的に古文の最初で最大の山場だと思っています。
先にあげた他の3つの品詞と違い、活用だけでなくどの活用形につくのか覚える必要があります。
また、覚えるものが有限な分、すべての意味を覚えなければならず、例えば同じ「ぬ」と書いてあっても否定か完了かで全く性質が異なってきます。
作業系が得意な人は、それほど大変ではないかもしれませんが、 そうでない人は、この時点では古文を誤読しないための土台を確立しているのだ、という意識を持って辛抱強く、でも楽しみながら取り組んでほしいです。

これと並行して授業では本文を眺め、先生の話す内容に耳を傾け、「小説やドラマみたいだな」と思えたら合格です。

To 高校2年生 構造理解に努めよう】

活用と助動詞がマスターできたら、次は構造理解の段階に進みます。

勉強の仕方
[用意するもの:高1で使った教科書、辞書、現代語訳が載ったもの、ペン]
  1. 読んだことのある文章を1つ選び、品詞分解をしていきます。
  2. 活用する4つの品詞について、活用の種類と活用形を書いていきます。助動詞については、意味も書きます。
  3. 辞書と現代語訳を用いてすり合わせつつ現代語訳をしていきます。書かなくてよいです。
  4. 読んだことのある次の文章へ移り、「1」→「3」を繰り返します。

以上のプロセスを経ることで、たとえ分解する位置が違っていても、助動詞の意味が間違っていても、それに気づくことができるはずです。
なお、読んだことのある文章を選ぶのは、読解でなく構造理解に注力するためであり、それでも「3」を行うのは、間違いに自分で気づくためのステップです。

構造理解が終わり次第、2年生の教科書に進みましょう。
あくまで既に習ったもので大丈夫です。
土日を活用してください。

授業中には作品の背景にも気を配ります。
登場人物の言動についてしばしば疑問に思うことがあると思うのですが、どんな時代・作者なのかを調べれば解決することがほとんどです。
この知識は汎用性もあるのでぜひ取り組みましょう。

To 高校3年生 単語と経験を蓄積しよう】

え、このタイミングで単語を覚えるの?と思うかもしれませんが、単語帳に取り組むのは高3からで大丈夫だと思います。
なぜなら、教科書に載っているレベルの必修単語はなんとなくわかることが多いですし、単語帳は勉強している"気分"に陥りがちだからです。
時間がない高3生は、古典に関しては短時間ですむ勉強を。
私は最初頑張って由来から考えていましたが、センター・二次試験の当日に役立ったのは語呂合わせでした。
隙間時間にやりましょう。

そして夏休みには、英文と同様に「1日1古文」読みましょう。
古文は現代文や英文と異なりこれ以上作品が増えることはありません。
実際全部読むのは不可能なのですが、どんな物語かを知っている作品が増えることは非常に価値があります。

なお、品詞分解はこの頃には自然にできるようになっていると思うので、助動詞だけ同様にチェックすれば大丈夫です。

以上が、理系の私が古文を得点源にできた勉強法です。
この方法で、センターの頃にはあなたにもきっと「古文脳」ができているはずです。
この記事が少しでもみなさんのお役に立てることを願っています。
ここまで読んでくださりありがとうございました。

以下に、大学受験科目である古文について、お悩みや、その解決策についてまとめています。
今回ご紹介した勉強法以外にも解決策があるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。

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