理系志望のため、高3まで古典をサボってしまっていました。さすがにヤバイと思うものの何から手を付けるべきかわかりません。

古文学習のポイント
理系志望のため、高3まで古典をサボってしまっていました。さすがにヤバイと思うものの何から手を付けるべきかわかりません。

東京農工大学などの理系国公立を志望している高3です。
いままで古典をサボってきてしまい、センターだけとはいえそろそろやばいと自覚しています。
ただ英数物化の二次試験勉強もしなければならないのですが、古典の勉強は可能でしょうか?
また、今になって何から手を付けるべきかわかりません。
なにから始めるべきか、おすすめの勉強法・参考書があれば教えてください。

今回は「高3夏からセンター古典を間に合わせる方法」をご紹介したいと思います。

相談者の方は理系国公立を志望しているという事ですが、この方と同じ悩みを持つ高3生は多いんじゃないでしょうか。
「高2まで部活に精を出していてなかなか勉強できず、高3から本格的な受験勉強を開始。とりあえず理系だしまず英数理をやらないと...と思っていたら、いつの間にか夏が来た。夏だしそろそろセンター対策も始めないとなぁ...。あれ、そういえばセンター国語の勉強全くやってなくね...?」
なんて。
わかります、その気持ち。文系志望の場合でも、理科をやり始めるのが夏頃といった逆のパターンのお悩みがありそうですね。

とはいえ、特に国公立にとって、センター試験はとても大事です。
センター試験の配点が大きい国公立では、まずセンターでしっかり稼ぐことが大切。
「他は大丈夫だったのに国語でコケて志望校に出願できない。」ということは想像したくないですね。

でも、高3の夏から古典を間に合わせることは可能なの?とお悩みの皆さん、ご安心ください。
「高3夏からセンター古典を間に合わせるためにはどうしたら良いのか?」を詳しくお伝えします。

【全体外観】

1. 古文単語の重要性と覚え方

古文単語は、古文を理解する上での基礎となるため、確実に覚えることが重要です。
特に、古文単語330語と古典文法(用言、助動詞、助詞、敬語)の基本を押さえることが勧められます。
これらを効率良く覚えるためには、単語カードを活用した暗記や、例文を読みながら実際の文脈での使用法を理解することが効果的です。
また、日々の継続的な復習が不可欠であり、スマホアプリやオンラインツールを活用することで、隙間時間を利用した学習もおススメします。

2. 漢文学習のスタートポイント

漢文の学習においては、基礎からしっかりと学ぶことが大切です。推薦される参考書としては、「基礎から学ぶ漢文」や「漢文早覚え速答法」などがあります。
これらの教材を利用することで、漢文特有の文法や訓読みの基礎知識を身につけることができます。また、漢文は短い文章で多くの意味を含むため、繰り返し読むことで読解力を高めることが可能です。

3. ジャンル別勉強法

古文や漢文の学習においては、問題パターン別、ジャンル別の勉強法を取り入れることが重要です。
特に苦手な分野をピックアップし、その分野に特化した学習をすることで、効率的にスキルアップが可能です。
例えば、古文単語が苦手なら単語集に特化した学習を、文法が苦手なら文法問題に特化したドリルを解くことが効果的です。

4. 読解スピードと会話形式問題への対応

古文の読解スピードは、共通テストにおいて大きなアドバンテージとなります。
読解スピードを上げるためには、日頃から多読を心掛け、様々な文体に触れることが重要です。
また、共通テスト特有の会話形式問題への対策としては、実際の問題を多く解くことで、問題形式に慣れることが大切です。

5. 共通テストの問題形式と特徴

共通テストの古文では、語彙問題、文法問題、読解問題が出題されます。
これらの問題形式と試験の特徴を理解することで、効率的な対策が可能になります。
特に、読解問題では文章全体の流れを把握することが求められるため、長文読解の練習を積むことが重要です。

6. 読解力向上のためのトレーニング法

読解力を向上させるためには、文章の主述関係に注目して読む、省略されている主語を補うなどのトレーニングが有効です。
これにより、文章の構造を正確に理解し、内容を深く把握することが可能になります。
また、日頃から様々なジャンルの古文・漢文に触れることで、読解力の幅を広げることができます。

理系学生でも、これらの勉強法を活用することで、古文や漢文の得点源とすることが十分に可能です。
効率的な学習方法を見つけ、共通テストでの成功を目指しましょう。

【古文編】

次は古文。
「古文ってどうせ日本語だし大丈夫でしょ!」と思っていたら痛い目をみます。
古文って意外と難しいんです。
ちゃんと勉強しないと惨事が起こります。
ここで「あれ?さっき高3夏からでも間に合うっていったよね?」と思った人、落ち着いてください。
確かに難しいのですが、ちゃんと勉強すれば点数がとれます。
言い換えれば、しっかり勉強しておけば、他の受験生と差をつけることができます。

今からそのためのステップをご紹介します。
これらを着実に行なっていきましょう。

勉強方法

①動詞の活用型を覚える

古文の本格的な勉強に入る前に、動詞の活用型を確認しておきましょう。
サ変動詞・下二段活用動詞・その他各活用型の活用、全部言えますか?
これがわからないと古文は読むことすらままなりません。
ある程度学校の勉強をしている人なら大丈夫なところだとは思いますが、念のため。

②助動詞・敬語・古文単語を覚える

さあ、ここから本格的に共通テスト古文対策です。
古文におけるすべての肝はこの3つ。
単語と文法です。そういえば共通テスト古文には必ず助動詞と敬語と単語の問題が出て来ますね。
それぐらい大切なんです。

助動詞は活用形・意味・接続を全て覚えましょう。

つまり活用表全部ですね。
これを覚えて、文中で見つけられるかどうかで古文の成績は驚くほど変わってきます。
たかが助動詞、されど助動詞。侮らないように。

敬語は意味はもちろんのこと、敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧)も覚えましょう。

古文は身分がはっきりしていた時代の文章なので、誰の発言なのかを敬語で判別することがものすごく多いんです。
古文を読んでいて「これ誰が話してるの?」と思ったことはありませんか?
そう、古文は主語が書かれず、誰が話しているのかわからない場合が本当に多く存在するのです。
そこで、主語を判別するために敬語が大活躍します。
古文の単語帳で敬語だけ別に分けられているのは、それぐらい重要だからです。
頑張って覚えましょう。

そして、古文単語も覚えなくてはなりません。

きりがないんじゃないの?と心配になるかもしれませんが、共通テストレベルで覚えるべき単語数はせいぜい200語程度。
英語は2000語ほど覚えなくてはならないのに対して、10分の1ですね。ここは抑えておきましょう。
覚えるときは、単語のイメージや成り立ちを大切にしてください。

③短い文を使って分析の練習をする

②の3つをある程度覚えたら、文法書に載っている短い文章を使って分析の練習をしましょう。
分析というのは、文を名詞・動詞・助動詞・助詞......といった風に細かく分けていくことです。
ちょっと例を見てみましょう。

和歌/こそ、/なお/おかしき/ものなれ。

こうやって分けていって、それぞれの意味を確認していきます。
特に助動詞は、その前にある動詞の活用から意味を判断する場合が多いので、この練習が不可欠です。
ここはとにかく慣れです。
初見の文を見て10秒以内に助動詞を見抜けるようになるまで繰り返してください。
もしわからない単語があったら調べて、覚えましょう。
特に助詞は想像もつかない訳が出てくることがあるのでしっかりチェック。
ただ、共通テストで問われる助詞のパターンはそこまで多くないので、血眼になって文法書を覚える必要はありません。
文中に出てくるものを覚えていくスタンスの方が効率がいいです。

④共通テスト試験の過去問を解いていく

②③で古文を読むための足腰を鍛えたら、いよいよ実践です。
共通テスト試験の過去問を解いていきましょう。(ただし、2014年度の古文(源氏物語)は苦手な人が最初に解くには重すぎるので最後に回すのが吉です。時間あれば解いてみてもよいかもしれません。)

まずは時間を気にせず、じっくりと。
出てきた助動詞と敬語にチェックを入れ、動詞の主語を意識しながら、ちゃんと文章の流れが把握できてるかどうかを確認していってください。
助動詞と敬語の問題は絶対に落とせない部分です。
まずはここが確実に正解できるか、を確認してください。
読解問題ですが、②③をちゃんとやっていれば意外と解けることに気づくと思います。
共通テストは主語が激しく入れ替わることがないので、結局②③がしっかり出来ていれば、実はそんなに難しくないんです。
一通り解き終わったら、解答・解説をじっくり読んでください。
点数なんて気にせずに、「なぜ間違えたのか」を徹底的にチェックしましょう。
これを5年分やって、できたらもう1周。
2周目が終わったらさらに5年分を2周。
これで古文は盤石です。

勉強時間

時期的には④は11月からで十分。それまでは②③を徹底的にやりましょう。

「徹底的に」なんて言うとすごく重苦しく聞こえますが、そんなに大変なことではありません。
まずは1日30分。
普段の勉強時間を、ちょっとだけ古文を覚える時間にすればいいんです。
それを毎日続けていけば、11月には②③は完璧になっていることでしょう。
そうすれば、あとは共通テスト試験にのぞむだけです。
これだけで他の受験生と差をつけられるって、ものすごくおいしいと思いませんか?

オススメ参考書

ステップアップノート30古典文法基礎ドリル (河合塾シリーズ)
助動詞・敬語といった古典文法を勉強するのにこれほど適したものはありません。ドリル形式でとてもみやすく、解説もとてもわかりやすいです。助動詞と敬語はこれが完璧にできればOK。助詞や紛らわしい助動詞の判別の仕方も学習できます。本当に素晴らしいドリルです。
マドンナ古文単語230 パワーアップ版: 別冊単語カードつき (大学受験超基礎シリーズ)
理系に適した古文単語帳はこれ一択でしょう。かなり単語が厳選されているため覚える語数も少なくて済みますし、1つ1つの単語に詳しい解説が付いていて、覚えやすくするための工夫が随所に施されています。丸暗記が嫌いな皆さんには特にオススメ!
2019 センター試験過去問題集 国語【必修版】 (東進ブックス 大学受験 センター試験過去問題集)
共通テスト過去問は赤本やら青本やら色々ありますが、1番オススメなのは東進の緑本です。黒本も赤本も量が多すぎて絶対やり切れませんし、青本は本試の量が少ないです。本試10年分が収録されている東進が1番ちょうどいいんです。解説もさすが東進といったところで、本当に分かりやすいです。要所要所で出てくる東大生のコメントも役に立ちますし、傾向と対策を先生が講義するDVDまでついてきます。まだ過去問を買っていない人は、ぜひ。

ここまでで、共通テスト古文は素晴らしくコスパが良いということがわかりましたね。
では、続いて漢文に移ります。

【漢文編】

「共通テスト古文はコスパが良い!」ということを述べましたが、共通テスト漢文はどうでしょう?
実は、共通テスト漢文は共通テスト古文よりコスパが良いんです。
というより、すべての受験科目で1番コスパが良いのが漢文です。
実は共通テスト漢文は共通テスト国語で1番簡単な分野。
にもかかわらず、ほとんどの人が勉強しない分野です。なんともったいないことでしょう。
つまり、少しの勉強ですぐにほかの人と差をつけられる分野ということ。これは勉強するしかありませんね。
というわけで、漢文の勉強法について書いていきます。

勉強方法

①返り点を覚え、書き下し分が書けるようにする

これができない人は今すぐ覚えましょう。
古文における動詞の活用と同じく、漢文で書き下し分が書けない状態だと何も読めません。
これも学校の勉強をある程度やっている人ならば大丈夫だとは思いますが、念のため。

②句形・漢字を覚える

漢文は、句形に始まり、句形に終わる科目です。
とにかく句形を覚えていきましょう。
句形って覚えるのがめんどくさそうですが、そんなことはありません。
覚えるべき句形は大まかに分けてたったの11種類。
英語で覚えるべき文法の数と比べると、ものすごく少ないです。
とにかく句形を覚えること。
それだけで漢文の点数は見違えるほど上がります。
その句形が白文(返り点や送り仮名がない文)で出されても書き下しができるようになるまで頑張りましょう。
漢字は、訓読すれば意味が分かる漢字は共通テストでは出題されません。
出題されるのは訓読しても意味が分からない文字や、多義語です。
でもこれもそんなに多くないので、句形を覚えている際によく出てくるものを一緒に覚える形で問題ありません。

③共通テストの過去問を解く

句形を覚えたら、あとは共通テストの過去問を解いていきましょう。
句形を覚えて共通テストを解けば、共通テスト漢文がいかに簡単かがわかります。
古文と同じく、まずはじっくり考えて解きましょう。
わからない漢字があれば調べましょう。
そして解説を読み、2週目。これを5年分やったら、次の5年分を2週。
これだけで共通テスト漢文はOKです。

勉強時期

これも③は11月からでOK。
それまでは②を徹底的に繰り返しましょう。これも1日30分でOKです。
そうすれば、漢文も盤石です。

おススメ参考書

漢文句形ドリルと演習 (河合塾SERIES―ステップアップノート10)
先ほど紹介した古文ドリルの漢文版です。これもまた素晴らしいドリルで、本当に勉強しやすいです。
2019 センター試験過去問題集 国語【必修版】 (東進ブックス 大学受験 センター試験過去問題集)
漢文も共通テスト試験はこいつが1番です。特に漢文は、受験漢文の第一人者である三羽先生が解説を書いているようで、とてもわかりやすいです。

以上、共通テスト古典の勉強法をお伝えしました。
共通テスト古典は勉強法が正しければ簡単に成績が上がります。
皆さんも共通テスト古典を正しく勉強して、ライバルと差をつけましょう。

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古文学習のポイント

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