独学で早慶の化学の対策は難しい?「セミナー」の他にすべき問題集はありますか?「化学の新体系」や「化学の新演習」はマスト?

独学で早慶の化学の対策は難しい?「セミナー」の他にすべき問題集はありますか?「化学の新体系」や「化学の新演習」はマスト?

来年の春から高3になるのですが、今自分は学校指定教材のセミナーをやっています。
セミナーが解けるようになったら次に何をしていけば早稲田大学や慶應義塾大学の化学に対応できますか?

私立最難関と呼ばれる早稲田大学と慶應大学。
暗記と計算の両立が必要となってくるため入試までにできるようになる気がしないという人も多いと思います。

早慶の化学の難しさの要因は、難関大学らしさと私立大学らしさの両方を兼ね備えているということです。

そこで今回は学校指定用のセミナーやリードα以外にどんなことをすればいいのか、そして早慶化学を如何にして攻略していくかについて書いていきたいと思います。

1.早慶などの大学入試化学を独学を検討する前に、「難関大学らしさ」を考える

最初にみなさんに考えていただきたいのは、「"難関大学らしさ"とは何なのか」ということです。

問題集は一通りやって中堅大学の入試は解けるようになったのになぜか難関大学になると解けなくなる。
そんな経験をしたことはないでしょうか?
それには大きく分けて3つの原因があると言えます。

  • (1) 複数の分野を融合した問題になっている
  • (2) 計算が複雑になるような問題設定になっている
  • (3) 大学で学ぶような内容を高校生向けにアレンジした問題を出題される

(1)と(2)

は適切な問題を適切な問題数こなしていくことで対処できるようになりますが、一番厄介なのが(3)です。

近年では反応速度論の発展でアレニウスの式の問題を出題したり、シクロデキストリンの包摂、酵素反応としてミカエリスメンテンの式など一般的な高校の授業ではまず出てこないような内容が出題されています。

このような問題を対策するのはそう簡単ではありません。
早慶志望の人が対策する上で必ずやって欲しいことは、ここ数年で国立大学がどんな問題を出題しているのかということを確認することです。

理由は単純で、大学入試には流行りがあるからです。
特に東京大学や京都大学、東京工業大学は入試の流行を生み出すことが多いのでどんな問題が出ていたのか確認しておくといいでしょう。

2. 早慶などの大学入試化学を独学を検討する前に、「私立大学らしさ」を考える

次に考えていきたいのは「私立大学らしさ」です。
私立大学入試を難しくしている最も大きな要因として、「解答時間が足りない」ということが挙げられます。

高校3年生になって過去問演習が始まるとよく聞くのが、「時間をいっぱい使ったら解けました」という生徒の声です。

しかし受験当日そんなこと言えませんよね?
だからこそスピードをつけるということがとても大切になってきます。

そしてもう一つ、国立大学とは異なる難しさがあります。
それは「重箱の隅をつつくような知識問題」です。

慶應大学や早稲田大学の理工系学部では、そのような知識問題はそこまで多くありませんが、早稲田の教育学部では、「歴代ノーベル賞受賞者を授賞理由とともに年代順にならべかえる」といったような問題が出題されたことがあります。

3. 早慶の化学の入試対策は独学可能? 具体的な「化学」対策

何と言っても基礎固め:セミナーやリードαなど

セミナーやリードαなどの学校指定の問題集を一通りやれば、受験の基礎固めとしては十分でしょう。
なかには、早稲田大学や慶應義塾大学に、学校指定用の問題集と過去問だけで合格する人もいます。

しかし全員が同じことをすれば通用するかというと、そうでもありません。
ではなぜ差が生まれるのでしょうか。
ずばりその差を生むポイントは、「難しい問題を簡単な問題に分解していく能力」を持てているかなのです。

すなわち、学校指定用の問題集と過去問だけで合格することができる人たちは、「基礎問題を経験するだけで、自分の頭で、応用問題にまで適応できる人たち」だと言い換えることができます。

では、その力をどうすれば養えるのでしょうか。
そこで、その「基礎問題を応用問題へと適応させていく力」を付けるために有効な問題集や参考書を紹介していきたいと思います。

(1)化学の重要問題集(数研出版)
化学の重要問題集は誰もが知っている問題集です。難しい印象を持っているかもしれませんが基本から発展まで網羅しています。
問題量が300程度と多いので入試まで時間がある人におすすめです。
また数研出版の特徴の一つとして、基本に忠実な解法で、繰り返し問題を解くことで入試に出やすい問題の解き方のパターンを覚えることができます。
(2)化学-理系標準問題集(駿台)
こちらは駿台の講師5名によって書かれた問題集で重要問題集と同じように基本から発展までを網羅しています。
問題数が200程度なので時間があまりない人におすすめです。
また解法が5名の執筆者の個性が出ており重要問題集の解き方は合わないという人や色々な解き方を知りたい人にもおすすめです。
(3)鎌田の解き抜く化学鎌田の解き抜く化学(大学受験プライムゼミブックス)
2018年に発売が開始された新しい参考書です。
2冊に別れていますが、入試で間違えやすい問題に絞られており効率的に化学を解く力を高めることができます。
また重要問題集や理系標準問題集に比べて解答解説が詳しいため、一問を深く学びたい人におすすめです。

ここまで書いた三つのうちどれか一つを繰り返し解くことで、入試問題の解き方を身につけられれば、早慶の入試の合格点を超えることができるでしょう。
もし大学で化学を専攻するつもりの人や化学で他の受験生と差をつけたい人は以下の参考書をおすすめします。

独学科学の応用編「化学の新体系」や「化学の新演習」はマストではないが......

(4)化学の新体系問題集 標準・応用編(啓林館)
あまり知られていない問題集かも知れませんが数学でフォーカス ゴールドという有名な問題集を出版している啓林館から発売されている問題集です。
この参考書は灘高校で長年教鞭をとられていた谷川芳雄さんが執筆したものです。
高校化学を超える内容を、問題を解く中で身に付けることができるという点でとても優れた問題集です。
問題量は多いですが完璧にこなすことができれば相当な実力を身に付けることができるでしょう。
初見で問題を解くのが難しいと感じる人は、化学の新体系という問題集に準拠した参考書が販売されているので、読みながら解き進めると理解が深まります。
他の人が使っていない参考書がいいという人や、個性を出したいという人にはとてもおすすめです。
(5)化学の新演習(三省堂)
難関大学を受験する高校生であれば誰もが知っている問題集の化学の新演習。
問題数は300問と多いですが網羅度はかなり高いです。
こちらも内容に準拠した参考書として化学の新研究というものが発売されています。
わからないところは調べるという癖をつけながら問題を進めると量の割にスムーズに問題演習できると思います。王道を攻めたい人にはおすすめです。

化学の新体系問題集 標準・応用編と化学の新演習は必ずやる必要があるという参考書ではありません。
しかし、これらの問題集を完璧にこなせるようになれば入試化学で困ることはないでしょう。
一方で大学入学後、化学を深く勉強する人は是非目を通しておくことを強くおすすめします。
これらの問題集に掲載されている高校の教科書レベルを超えた問題は必ず大学で扱うことになります。
大学の講義の中で、「新体系でファンデルワールスの状態方程式って解いたことあるなあ」「新演習でやったラウールの法則の本質ってこういうことだったのか」などと思えることは充実したキャンパスライフを送る上で大きなアドバンテージになると思います。
難しいかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。

4.まとめ

「早慶の化学を攻略する」というのは、そう簡単なことではないかもしれません。
しかし入試問題で出てくる問題は高校生に解けるようにできています。

どんなに難しい問題でも簡単な問題へと分解していくことができればあとは簡単です。
難問を簡単な問題へと素早く素因数分解していくような能力を身につけられるように、問題集に取り組んでみてください。
どんな問題を解くときも、できるだけ時間を測りながら取り組むことをおすすめします。
そうすれば、入試当日、大問を見てこの難度の問題ならこのくらいの時間で解けるという感覚を身に付けて挑むことができると思います。
今回の記事が早慶をはじめとする私立難関大や国立難関大を受験する上で少しでも参考になれば幸いです。

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モチベーションアカデミアは、GMARCHをはじめとする「難関私大対策」にこだわる塾です。

対話型授業」で無暗な丸暗記を避けることで、「本質的な知識」を的確に押さえ、解答を導く思考力を養い、教わったことを「自分で使いこなす」という勉強の仕方を学びます。
また人材開発の専門家であるモチベーションアカデミアの講師から指導を受けることで、自らを律し・計画的に目標を達成する力・モチベーション高く挑み続ける心が育まれます。
そのため難関私大の「一般入試」や「総合型選抜(AO)入試」にも挑戦が可能です。

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