明治大学総合数理学部の自己推薦入試の受験を考えているのですが、どのように対策をしていけばいいでしょうか。
明治大学総合数理学部ってどんな学部?
GMARCHと呼ばれる首都圏の私立大学群のうちの一つである「明治大学」の「総合数理学部」は、数学や情報科学、データサイエンスなどの幅広い分野をカバーし、複合的な視点から問題解決能力を養うことを目的としています。
明治大学 総合数理学部にはどんな学科がある?
総合数理学部には以下のような学科があります。
現象数理学科
現象数理学科は、数学の理論を基盤に、自然現象や社会現象の解析を行う学科です。この学科では、数理モデルの構築やシミュレーションを通じて、複雑な現象の理解を深めます。具体的には、気象予測、人口動態、経済モデルなど、多岐にわたる現象を数学的に解析する手法を学びます。
先端メディアサイエンス学科
先端メディアサイエンス学科は、情報科学やメディア技術を駆使して、新しいコミュニケーションや表現方法を研究する学科です。この学科では、人工知能(AI)、バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)などの最先端技術を学ぶことができます。学生は、これらの技術を利用して、新しいメディアコンテンツの創造やインタラクティブなシステムの開発に取り組みます。
ネットワークデザイン学科
ネットワークデザイン学科は、インターネットやネットワークの構築・運用に関する知識を学ぶ学科です。この学科では、情報セキュリティ、IoT(モノのインターネット)、クラウドコンピューティングなど、現代の情報社会に不可欠な技術に焦点を当てています。ネットワークの設計や管理、セキュリティ対策の実践的なスキルを習得できます。
明治大学 総合数理学部生のキャリアパス
総合数理学部を卒業した学生は、以下のような多様な分野で活躍しています。
IT業界
ソフトウェア開発、システムエンジニア、データアナリストなど、IT業界での需要が高いスキルを持つ卒業生は、多くの企業で活躍しています。特に、プログラミングやデータ解析のスキルを活かして、新しいアプリケーションやシステムの開発に貢献しています。
金融業界
リスク管理、金融工学、データ解析など、金融業界でも総合数理学部の卒業生は高く評価されています。複雑な金融商品の分析やリスク評価に必要な数学的知識とデータ解析技術を持つ人材は、特に需要があります。
研究機関や大学
総合数理学部で培った専門知識を活かして、研究機関や大学で研究者として活躍する道もあります。数理科学や情報科学の最先端の研究に携わることで、新しい発見や技術革新に貢献することができます。
コンサルティング
ビジネスアナリスト、データコンサルタントなど、コンサルティング業界でも総合数理学部の卒業生は活躍しています。企業の課題をデータに基づいて分析し、解決策を提案する役割を担います。
明治大学 総合数理学部で学べる内容
◆明治大学 総合数理学部全体で学べる共通科目
基礎科目
数学:解析学、線形代数学、離散数学。
物理学:力学、電磁気学、量子力学の基礎。
データサイエンス
データ解析:統計的手法、データビジュアライゼーション。
機械学習:教師あり学習、教師なし学習、強化学習。
プロジェクトベース学習
実践プロジェクト:企業や研究機関との連携プロジェクト。
インターンシップ:実務経験を積むための企業インターンシップ。
◆明治大学 総合数理学部 現象数理学科で学べる内容
数理モデルの構築
微分方程式:自然現象や工学的問題をモデル化するための基礎。
確率論と統計学:データ解析やリスク評価に必要な基礎知識。
数値解析:コンピュータを用いた数値的な解法の手法。
応用分野
気象予測:気象データの解析と予測モデルの構築。
経済モデル:経済活動の動向を数理モデルで分析。
生物数学:生態系や人口動態の数理モデル。
◆明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科で学べる内容
情報科学とメディア技術
プログラミング:Python、C++、Javaなどのプログラミング言語の習得。
データベース:データの効率的な管理と検索方法。
アルゴリズムとデータ構造:効率的な問題解決のための基礎。
最先端技術
人工知能(AI):機械学習、深層学習の理論と実践。
バーチャルリアリティ(VR):仮想現実の技術と応用。
拡張現実(AR):現実世界とデジタル情報の融合技術。
応用プロジェクト
ゲーム開発:エンターテインメント分野での応用。
インタラクティブメディア:ユーザーと対話するシステムの設計と開発。
映像制作:デジタル映像の編集と制作技術。
◆明治大学 総合数理学部 ネットワークデザイン学科で学べる内容
基礎知識
ネットワーク基礎:TCP/IP、OSIモデルなどの基本的なネットワーク概念。
ネットワークセキュリティ:セキュリティ対策、暗号化技術、認証方法。
専門技術
インターネット技術:ウェブ開発、サーバー管理、クラウドコンピューティング。
IoT(モノのインターネット):センサー技術、デバイス間の通信プロトコル。
クラウド技術:AWS、Google Cloud、Azureなどのクラウドサービスの利用と管理。
実践的学習
ネットワーク設計:小規模から大規模ネットワークの設計と構築。
セキュリティ演習:実際の攻撃シナリオを用いたセキュリティ対策の実践。
プロジェクトマネジメント:ITプロジェクトの管理と推進方法。
明治大学 総合数理学部自己推薦入試の対策は?
明治大学の総合型選抜は、学部ごとに様々な入試方式が用意されていますが、その中でも総合数理学部では、「数理科学の探求や、数理科学を基礎とした新しい概念・価値観の提案を通じて、広く社会に貢献しようとする意欲」を持つ人たちを迎え入れることを目的として、「自己推薦入試」を実施しています。この記事では、そんな総合数理学部自己推薦入試の対策法のポイントをご紹介します。
※以下の内容は、2022年度入試の情報を掲載しています。
入試内容に関する情報は変更になる場合がありますので、必ず大学公式の入学試験要項を合わせてご確認ください。(参考:明治大学HP)
1. 総合数理学部自己推薦入試の内容
明治大の総合数理学部自己推薦入試の実施内容は、次の通りです。
・各学科の募集定員
学科ごとに定員が設けられています。
- 現象数理学科:3名
- 先端メディアサイエンス学科:5名
・出願資格
- 《現象数理学科》
-
- 「数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B」まで履修している、または履修見込みであること。
- 数学の評定平均が4.0以上であり、かつ理科の平均評定が3.8以上であること。
もしくは、在学中に学業成績以外で、数学または理科に関する優れた活動歴があること。
★「学業成績以外の数学または理科に関する優れた活動歴」の具体例(募集要項に書かれているもの)
- 数学検定準1級以上合格
- 国際科学技術コンテスト(数学オリンピックなど)の予選や本選に出場
- 研究発表や高校での履修範囲を超えた学習の成果物 など
- 《先端メディアサイエンス学科》
-
- 独自に考えたコンピュータープログラムを作成したことがあり、その内容を第三者に説明できること。
※ソフトウェア・ハードウェアのどちらでも良く、またプログラミング言語の制限もなし。
他者と共同制作したプログラムでも良いが、主要な制作者として関わり、かつ自分が寄与した部分や役割を説明できることが条件。
- 独自に考えたコンピュータープログラムを作成したことがあり、その内容を第三者に説明できること。
・一次選考(書類選考)の内容
総合数理学部自己推薦入試の一次選考は、出願時に提出する書類などを判断して合否決定されます。また、学科によって課される内容が大きく異なりますので、間違えないよう注意して下さい。
≪提出が求められる主な出願書類≫
- 志願票 / 調査書
- エントリーシート (学科ごとに異なる内容を記述)
■現象数理学科のエントリーシート- 高校以上で学ぶ数学のなかで、最も美しいと思う数学の公式・定理とその理由(図式を除き800字以内)
- 数学が社会で役立っている具体例(図式を除き800字以内)
- 先端メディアサイエンス学科で「学びたいこと」、及び「学びたいことと提出作品との関連性」(A4用紙1枚以内)
- 作成したコンピュータプログラムの動作についての概要(200字以内)
- 作成した制作物(プログラム)の説明(図版等を用いて自由に作成)
- 数学または理科に関する活動歴・添付書類リスト
(現象数理学科志望者のうち、「数学または理科に関する活動歴」を出願要件とする人のみ)
※例えば、数検合格証書やコンテストでの成績が記載された資料、研究活動の成果物など。
・二次選考の内容
一次選考に合格した人は、試験場での二次試験に進みます。二次試験は、各学科によって内容が異なります。現象数理学科の場合は、数学の学力考査を90分実施した後、口頭試問が行われます。先端メディアサイエンス学科の場合は、自身が作成したコンピュータプログラムに関するプレゼン及び口頭試問が成されます。二次選考では、ここでの選考内容と出願時の提出書類を総合的に判断して合否が決められます。
■現象数理学科
- 数学の学力考査(90分)
- 口頭試問(20分)
■先端メディアサイエンス学科
- ①作成したコンピュータプログラムのプレゼンテーション(5分)
実演や動画などを用いて、プログラムの各機能が実際に動作することを示す。 - ②口頭試問(25分)
作成したプログラムの仕組み、背景や関連した知識(プログラム言語や数学など)についての試問
2. 総合数理学部自己推薦入試の対策ポイント
ここからは、そんな総合数理学部自己推薦入試のポイントについてご紹介します。学科によって提出課題・試験内容が大きく変わるので、学科ごとにポイントを説明していきます。
- ≪総合数理学科≫
-
・「学校での数学の勉強」を飛び越えて、意欲的に探究することが必須。
総合数理学科での合格を狙うのであれば、学校での数学の勉強やただ数学の問題を解くだけでなく、そういった「数学の勉強」の範囲を飛び越えて、意欲的に探究活動を行うことが必須のものとなるでしょう。総合数理学科の提出書類の一つであるエントリーシートでは、「最も美しいと思う数学の公式・定理」についてと、「数学が社会で役立っている具体例」の二つの記述が求められます。いずれも学校の授業では、その視点で数学を捉えることは少ないでしょう。数学の「美しさ」とは一体何なのか、数学は実際どのように社会の中で応用されているのか、書籍などを調べながら枠を設けずに探究してみましょう。一方で二次試験では、数学の学力考査が実施されます。口頭試問も実施されますが、数学の学力考査での成績が振るわなければ、合格は一気に難しくなります。学校で学習する内容も手を抜かずに対策し、探究する中で「数学の面白さ」に触れるだけでなく、「数学の実力」もしっかり磨いておきましょう。
- ≪先端メディアサイエンス学科≫
-
・プログラマーとしての力量だけでなく、「発信する能力」を磨くことが重要。
先端メディアサイエンス学科では、出願要件としてコンピュータプログラムの作成が求められており、それがないと試験に合格することはできません。そのため当然、プログラミングに関する知識やそれを活用してプログラムを構築する力が必要なわけですが、試験ではプログラムについて文章や図版を用いて説明が求められたり、二次試験でもプログラムに関するプレゼンや口頭試問が求められたりと、ただプログラムを組むだけでなく、それをいかに他者に伝えるかという「発信力」が重要な要素として問われています。「コードを書ける」ことにとどまらず、プログラムのコンセプトや機能、仕組みなどを、分かりやすく魅力的に伝えられるようプレゼンや面接などの練習を積みましょう。
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