現代文の記述問題が書けない! 効果的な勉強法とは?

古文学習のポイント
現代文の記述問題が書けない! 効果的な勉強法とは?

国立志望で、大阪大学をめざしてるのですが、現代文の問題を解いていて記述式の問題でなかなか点を取れません。
自分ではそこそこ書けたかなと思っていても、採点結果を見てみるとけっこう減点されていたり......
どうすれば記述問題に強くなれるでしょうか。

現代文の問題、感覚で解いてしまっていませんか?

苦手と感じる人が多い現代文の記述問題ですが、実は数学のように解き方を緻密に整理・設計する必要があります。
今回はそのポイントと、「なぜ」そのように書かなくてはいけないのかについて、ご説明します。どうぞ最後までお付き合いください。

1.文章の要点を抑えよう

現代文の問題に使われる文章は、すべて日本語で書かれています。この解説記事が読めているくらいですから、皆さんも日本語は読めるし現代文の問題をただ「読み通す」ことはできるはずです。
しかしいざ問題を解くとなったときに「結局どういうことだったかわからない」「理解したつもりだけれど言語化できない」となる人は多いのではないでしょうか。
現代文の問題を解くためには、まず文章を読む段階でそれを「読み通す」ことではなく「読み込む」ことが重要です。そして文章を「読み込む」ためには、その文章の要点をしっかり抑えておく必要があるのです。

では、その要点とやらはどう整理すればよいのでしょう?

ベタな方法ですが、文章に線を引きながら読むのは有効です。
特に、「なぜなら、つまり、ですから、要するに」などの「理由・要約」を示す語には注目しましょう。わざわざ理由を説明したり、同じことを言い換えて説明したりするのは、筆者がその箇所を重要だと考えるからです。
また、「それ、そのようにして、これは」のような指示語にも注意しましょう。どの指示語が何を指しているのかがわからなくなると文章理解が誤った方向に向かいかねません。

2. 設問のポイントを整理しよう

文章が正しく読めたところで、「問題の分析」を行なっているでしょうか。
数学では与えられている情報を整理し、何が聞かれているのかを考えてから立式すると思いますが、そのような観点は現代文の記述問題にも必要です。

まずは、設問で問われている内容を確認しましょう。
「理由」が聞かれているのか、それとも「どういうことか」と内容の説明が求められているのかを明確にしましょう。この点だけでも、本文で注目する箇所は変わってくるはずです。
それがわかれば、文章を読む段階で印をつけた「から」のような表現や「つまり」のような表現などに注目すればよいことがわかると思います。

加えて、字数制限にも注目したいところです。
一般に20~30字につき1つの内容が解答要素として求められると言われています。自分が「これだ」と思うことを書き終えて、字数が大幅に余っていたら、ほかにも注目しなければいけないポイントがあるのではないか、と疑ってみてください。

抜き出し問題ではなく、記述問題になっている理由を考えれば、本文全体を踏まえ、複数のポイントをピックアップしてほしいという出題者の意図がうかがえるのではないでしょうか。

3. 抽象的な表現で回答しよう

次に注意したいのが、解答の抽象度です。
本文の記述を踏まえた解答を作る際は、本文のどこを参考にするかということが特に重要になってきます。
前述のように、重要なポイントほど筆者は何度も繰り返し言葉を換えて説明します。それらは言い換えの表現なので、基本的には同じことを語っており、どれを解答に採用しても問題はないはずです。

しかし、読者の理解を促すために、具体的な事例や、自身の体験談などを用いて語っている部分を解答に使うのはどうでしょうか。
それは、「その事例」「その人」においては正しい説明かもしれませんが、「ほかの場面」「ほかの人」にもあてはまることの根拠を示すことができません。
具体例は、そもそもが「理解の補助」として挿入されているものなので、本文における重要度は相対的に小さいものとなります。

逆に、抽象的な説明というのは、適用範囲が広いことになりますから、解答としてふさわしいことが多いのです。そうした表現を本文からそのまま転用するだけでなく、筆者のメッセージを一言で表したり、論理を繋げ直したりして整理することが求められてきます。

4. 他人に説明するつもりで書こう

最後に解答を作り終えた後で、それが本当に適切かどうかの見直しを行なうとよいでしょう。算数や数学で確かめ算をするのと同じです。
自分の作成した回答が設問に対する答えになっているかどうかを一箇所一箇所照らし合わせて、過不足がないかどうか確認してみてください。

また、(これも数学と同じですが)回答は「説明」であるという点を忘れてはいけません。
数学の記述問題では、ただ式を展開するだけでは減点されてしまうことがありますよね。「○○をxと置く」「××の法則より、△△は~~なので......」といった「説明」が適切に補われていないと、十分な「回答」とは認められません。
採点する先生は式の展開だけでも理解することができるでしょう。しかし、それは相手が優秀だから意図をくみ取ってもらえているだけで、それで説明が十分だというわけではありません。
大学は学問をする場であり、そこでは「科学的」な言説のみが価値のあるものとして評価されます。「科学的」であるということは「だれが読んでも同じように理解できる」ということです。したがって、一部の人にしか伝わらないような表現は望ましくないのです。

現代文でもそれは同じです。たとえば設問と同じ質問を友人からされたとして、いま自分が作った解答を返答として返したら、友人は納得してくれるでしょうか。自分の説明は、誰でもわかるような簡潔で明快なものになっているでしょうか。

こうした観点からセルフ・チェックを入れ、不十分だと感じたところについては(表現を変えるなり説明の順序を変えるなり)工夫をしてみてください。「理由を聞かれているのに、理由の説明になっていない」といったことは、割と頻繁に起こりがちです。
もちろん、回答を作っている自分自身が、何を言っているのかわからないなんて状況は、言語道断です。

ここまで「文章の要点を抑える」「設問のポイントを整理する」「抽象的な表現で回答する」「他人に説明するつもりで書く」の4つのアドバイスを軸にお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。現代文でも、数学を解くときのような慎重さと論理性が求められることをお分かりいただけたかと思います。
「日本語だから読めるし書ける」と現代文を侮ることなく、解説したとおりに問題を解いてみてください。
この記事がお役に立てれば幸いです。

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