「物理」の勉強法・学習の悩みと解決策
「物理ってなんだか難しい。公式がたくさん出てくるし問題も難しいし……」と思っていませんか?
実はそんなことないんですよ!
物理はしっかりと勉強法を確立すればとても理解が早く進むんです。
ということで今回は物理がどういう学問かということから物理の勉強法、そしてなぜ物理が苦手な人が多いのかを徹底解説していきます!
1.物理ってそもそも何がしたいの?
物理がこの世に存在する目的……気になりませんか?
一言で言うと、物理とは「この世の中で起こっている現象に隠れているルールを、数式という扱いやすい形で表そうという学問」です。
例えば持っているものを放すと落ちたり、電池に豆電球をつなぐと光ったりなど、この世界には色々な現象が存在しますが、その無数の現象の裏に隠れているルールを見つけて、さらにそこから色んな現象を予言しようというのが物理の役割です。
そしてそのルールを表す「言葉」として一番適しているのが「数式」なのです。
数式といえば、なんか方程式があって、それを解くとxやyの値が求まるといったイメージですよね。
まさにそのイメージで、「ボールをある角度へ、あるスピードで投げる」といった条件から数式を作り、それを解くことでボールが何メートル飛ぶかということがキッチリと求められるのです。
このように、数式を使えば曖昧な箇所がないので大変ありがたいのです。
2.物理という科目の特性
ここでは、化学、生物、地学といった理系科目に対して、物理はどういった特徴があるのか見ていきましょう!
物理が他の科目に比べて決定的に違うのは「暗記量が少ない」「替わりに計算が多い」というところでしょう。
「え?だって公式たくさんあるよ?暗記量多いんじゃないの?」と思ってるそこのあなた!
実は、多くの公式は「基本法則」から導くことができるのです。
ここでいう「基本法則」というのは、例えば力学でいう「慣性の法則」、「運動の法則」、「作用反作用の法則」のように、その分野で前提条件としている法則のことです。
そして、これらの法則を用いれば加速度運動の公式、力学的エネルギー保存といった法則を導くことができます。
中には導出の過程が難しいものもありますが、「公式を覚えるだけでなく導出に重点を置く」ということをすれば、その公式が記憶に深く刺さるでしょう。
そして、テストのたびに公式を覚えなおすなどといった面倒なことをしなくてもよくなります。
むしろ、物理は問題文に沿う公式を使ってさらに計算を進めるということをします。
なので、物理で戦うということは重要な公式を(可能な限り導出も含めて)しっかり理解したうえで、数学という武器を使って問題を解くといったものになります。
ここまで読んで、「やっぱり物理は難しそう」と思っているかもしれませんが、ご安心ください。
次に、誰でも必ず物理が上達できるたった4つのステップを紹介します。
それをしっかりこなせば、あなたもきっと物理が得意になること間違いなしです!
3.物理が得意になるたった4つのステップ
早速その秘伝の方法を教えていきましょう。
物理が得意になるための4つのステップとは、
- ①物理法則を理解する
- ②法則を元に式を立てる
- ③式を数学的に解く
- ④解いた結果を解釈する
です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
まずは「①物理法則を理解する」のステップです。
教科書や参考書にある法則や公式について、可能な限りその導出も含めて理解しましょう。
ここで、「理解できた」というのは、その法則について言葉と式の両方で説明ができる状態を言います。
(中には言葉のみの法則もあるので、それらは言葉だけで理解しましょう。)
まずはこの状態を目指していきましょう。
次に、法則を理解したうえで、問題を解いていきます。
そこでやってほしいのが②~④のステップです。
問題文をしっかり読み、どの法則が使えるのかを意識しながら、数式を立てていきましょう。
数式が立てられたら③のステップとしてその数式を解き、求めたいものを求めます。
最後に出てきた答えに対して、④のステップとしてその解釈をおこなうとよいでしょう。出てきた答えをよく見て、自分でイメージができるかといったことをしましょう。
このステップは初めは一人でやるのは難しいでしょうから、はじめのうちは学校の先生や塾の先生を助けを得ながら行うことをオススメします。
以上の4ステップを普段の学習において繰り返せば、物理が上達すること間違いなしです!
4.なぜ物理が苦手な人が多いのか?
物理が苦手な人は結構いますよね。
彼ら、彼女らはなぜ物理が不得意なんでしょうか?
答えは簡単、物理の効果的な勉強法を知らないからです!
苦手な人を見ていてよくあるのが、公式をひたすらノートに書いて覚えたり、テスト範囲の問題の解き方をひたすら覚えたりしているとこでしょう。
それを見るたびに毎回心の中で思うのです。「(違う!そうじゃない、そうじゃないんだ!)」と。既にここまで読んでくれた方ならお分かりかと思いますが、物理は丸暗記をする意味がほとんどないのです。しっかりと法則や公式の意味を理解していないと、問題の状況にそぐわない誤った法則を使ってしまったりして大惨事になります。「適当に覚えてる公式当てはめればいいや~」といったやり方では1億年経っても上達しません。そういう意味で、数学が苦手な理由と物理が苦手な理由はよく似ているわけですね。なにせ、物理と数学はきっても切り離せない関係にあるわけですから。物理が得意になりたいという方は、是非前章で紹介した4つのステップを無限サイクル続けてみてください!
(稀に数学は苦手だけど物理は得意という方がいますが、それは今までたまたま何とかなってるという可能性が非常に高いので、今のうちに勉強法を見直すことを強くオススメします!)
5.志望校ごとの物理の勉強法
物理が上達する方法が分かったところで、志望校ごとにやるべきことを見てきましょう。
主に「①中堅国公立、東京理科外、MARCH、その他」と「②旧帝大、東工大、早慶」に分けてみていきましょう。
①中堅国公立、東京理科外、MARCH、その他
中堅国公立、東京理科大、MARCHは比較的標準的な問題を出します。
これらの大学を目指す場合、まずは「セミナー」、「リード@」、「センサー」といった学校で配布される問題集をこなしましょう。
これらの発展問題までを自力で解けるようになれば、合格はかなり近いです。
各分野で発展問題までしっかり進めたら、「良問の風」や「基礎問題精講」などの標準難易度の問題集を1冊進めましょう。
ここまでくれば合格は目前となるでしょう。
もう少しステップアップしたい場合、物理を得点源としたい場合は、「名問の森」や「重要問題集」などの応用レベルの問題集を進めるとよいでしょう。
②旧帝大、東工大、早慶
旧帝大、東工大、早慶は思考力や本質を問われる問題が多く出題され、難易度も高いです。
しかし、これらの大学を目指す方も、まずは中堅大学志望者と同じく学校配布の問題集をしっかりこなしましょう。
その後は「名問の森」や「重要問題集」などの応用レベルの問題集を1冊こなせば、入試で戦える力はかなりつくでしょう。
さらに「標準問題精講」や「難問題の傾向とその解き方」といった難易度の高い問題集をこなせば、かなり合格へと近づくはずです。
6.参考書・問題集
インプット教材
- 「橋元の物理をはじめから丁寧に」(東進ブックス)
- 物理が本当に分からない方にはうってつけです。
- 「よくわかる物理基礎+物理」(学研教育出版)
- 全てカラー印刷で図もとても見やすくいです。
- 「物理のエッセンス」(河合出版)
- その名のとおり、重要な「エッセンス」を集めた参考書です。練習問題も充実しております。
- 「物理教室」(河合出版)
- 同じ出版社の「物理のエッセンス」よりも詳しい説明やコラムが載っています。この1冊で高校物理はほぼマスターできるでしょう。
- 「新・物理入門」(駿台文庫)
- かなり難易度が高く、微積分といった高度な数学的手法が用いられています。自信のある方は是非読んでみてください。
- 「理論物理への道標」(河合出版)
- 「新・物理入門」同様に高度な内容を扱っています。
アウトプット教材
- 「セミナー 物理基礎+物理」(第一学習社)
- 学校で配られるところも多いでしょう。センターレベル~MARCHレベルまで対応できます。
- 「リードα 物理基礎・物理」(数研出版)
- こちらも学校で配られることが多いでしょう。センターレベル~MARCHレベルまで対応できます。
- 「センサー 総合物理」(啓林館)
- こちらも学校配布のものとしてよく使われています。センターレベル~MARCHレベルまで対応できます。毎ページの上部に物理に関する豆知識が載っています。
- 「体系物理」(教学社)
- 公式や法則の導出など、本質理解にはうってつけの問題が多く揃っています。
- 「良問の風 物理」(河合出版)
- 標準レベルの問題集で、これを1冊こなせばMARCHレベルまで対応できます。
- 「物理 基礎問題精講」(旺文社)
- 「基礎」とついていますが、難易度は標準レベルです。これを1冊こなせばMARCHレベルまで対応できます。
- 「名問の森 物理」(河合出版)
- 「良問の風」より1段階レベルの高い問題がそろっています。中堅国公立、MARCH志望で物理を得点源としたい方、上位国立大や早慶を狙う方は解いておきたいですね。
- 「物理重要問題集」(数研出版)
- 「名問の森」同様に応用レベルの問題が多く揃っています。中堅国公立、MARCH志望で物理を得点源としたい方、上位国立大や早慶を狙う方向きです。
- 「物理 標準問題精講」(旺文社)
- 「標準」とついていますが、難易度はかなり高く、上位国公立大や早慶向けの問題が多く揃っています。上位国立大や早慶志望で物理を得点源としたい方向けです。
- 「難問題の傾向とその解き方 物理」(ニュートンプレス)
- こちらもかなり難易度の高い問題が揃っています。上位国立大や早慶志望で物理を得点源としたい方向けです。
さて、いかがでしたでしょうか?
一見難しそうな物理でも、しっかりとした勉強法でステップを踏めばだれでも成績を伸ばすことが可能です。
物理が苦手だという方は、ぜひ正しい勉強法をチャレンジしてみてください!
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