高校2年生です。
東京都立大学などの国公立の文系を志望していて、社会がセンターでも二次試験での2科目ずつ課されます。
この2科目はどのように選んだらよいのでしょうか?
世界史・地理が多いと聞きます。
私は、歴史が好きなので世界史・日本史にしようと思ったら量が多すぎるんじゃない?と周りから言われて迷っています。
国立大学を志望する文系にとって、社会の選び方は文理の選択と同じぐらい重要なのはいうまでもないでしょう。
文系にとって社会科目は、大学受験が終わるまで、いや、もしかすると大学に入った後や会社に出てからも付き合っていかなくてはならないもの。
だからこそ、選び方を間違えると悲惨なことになりますし、うまく選べば一気に大学受験へのモチベーションが上がる特効薬にもなり得ます。
ここでは、社会の選択科目について、それぞれの特徴を説明しながら、それぞれの組み合わせのメリット・デメリットを説明していきます。
これを読んで、ぜひあなたに合った選び方を選択してください。
※追記:2025年1月からの共通テストでは、2022年度に高校に入学した生徒から新学習指導要領に基づく授業が開始されたことに伴い、出題科目や内容が大きく変わる予定です。
科目選択も現在のものとは異なる部分があるため、注意が必要です。
社会の選択科目それぞれの特徴
まずは、それぞれの選択科目について見ていきましょう。今回は「その科目では何を学ぶのか」ではなく(まぁ説明しなくても科目名からある程度わかると思います)、大学受験、特に二次試験という観点から「どのような人がその科目に向いているのか」という点から説明していきたいと思います。
1. 日本史の特徴
文字通り日本の歴史を学ぶ科目です。この科目には、以下の特徴があります。
- (社会の中では)暗記量はやや多い
- ミクロな視点から考える問題が多い
- 時間軸と因果関係を使って出来事を整理する力が必要
- 論述では多角的な視点が求められることも
- 1つ1つを深く理解することが得意な人向け
日本史では1国の歴史を学ぶわけですから、暗記量は世界史ほど多くはありません。
また、世界史のように「同時代に他の場所で何が起こっていたか」について敏感になる必要はありません。
それよりも、出来事・条例・法律・人々の暮らしなどを時間軸と因果関係を使って整理し、流れを理解する必要があります。
いわゆる「タテ」の理解ですね。
そのため、日本史では世界史より1つ1つの出来事に対して深い理解が求められます。
その点では、ものごとをストーリーに仕立てて整理するのが得意な人や、理解力が高い人が向いていると言えるでしょう。
また、日本史の論述では1つ1つの出来事に対する深い理解を問うために、多角的な視点から論述させる問題が出題されることが多いです。
最も顕著なのが東大日本史です。日本史選択でまだ解いたことがない人はぜひ1度解いてみることをお勧めします。自分が日本史の学習に向いているかどうかを測る1つの指標になってくれるでしょう。
2. 世界史の特徴
これも文字通り世界の歴史を学ぶ科目です。特徴は以下の通りです。
- 暗記量は最も多い
- マクロな視点から考える問題が多い
- 各国の関係性を整理しながら、同時代に起こった出来事を関連付けていく力が必要
- 暗記が得意な人や、物事を関連付けるのが得意な人向け
世界史は多数の国の歴史を大局的に学ぶ科目なので、常に全体像の把握が求められます。
1つ1つの出来事について深く考えることは少ないですが、覚えることは他と比べても圧倒的に多いです。
そういう意味では暗記が得意な人は世界史が1番向いてると言えるでしょう。
また、各国の歴史的背景や思惑から、同時代に起こった出来事を関連づける、いわゆる「ヨコ」の理解が求められるのが世界史です。
なんかこう書くとドラマっぽいですね。実際、世界史は登場人物が沢山出てくるドラマみたいなものです。
多数の時系列や因果関係が複雑に折り重なったストーリーを楽しめるのであれば、世界史に向いていると言えるでしょう。逆にそれがややこしいと感じてしまうのであれば、日本史の方がシンプルで学びやすいかもしれません。
3. 地理の特徴
地理は世界の地形や気候、そしてそれに関係する現地の生活や文化などについて学びます。「系統地理」「地誌」という区分がなされることもあります。系統地理では「気候」「農作物」など、トピックごとに各地の特徴や違いなどを学びます。一方、地誌ではある1つの地域に限定してその地域のさまざまな地理的特徴を学びます。例を挙げれば、「世界の気候」は系統地理、「日本の気候・農作物・漁業......」は地誌です。
そんな地理の特徴は以下の通り。
- 暗記量は最も少ない
- マクロな視点とミクロな視点両方が必要
- 数多くの事柄から共通性を見出す分析力、そこから論理的推測を行う思考力が必要
- 論理的思考に自信がある人、数学が得意な人向け
地理はもはや理科です。数字のない理科といって差し支えないでしょう。グラフを読み解く問題などもそれなりの頻度で出てきます。
地理は暗記では全く太刀打ちできませんが、そのかわり思考力さえあればほとんど暗記せずに9割が取れる科目です。理系に地理選択が多いのもこれが理由です。
論理的な思考が得意な人はもちろん、暗記は得意だけど思考力が足りないし鍛えたい...と思うチャレンジャーは、ぜひ地理を選択してみてください。地理でつけることができる論理的思考力はかなり大きな財産です。
4.政治・経済の特徴
政治・経済では名前の通り政治と経済の理論について学びます。
具体的には世界の政治体制や経済状況などです。
そんな政治・経済には以下の特徴があります。
- 暗記量は標準
- 経済の理論を論理的に理解することが求められるので、地理ほどではないが論理的思考力が必要
- 記憶力も論理的思考も自信がある人向け
記憶力と論理的思考力の両方の力をバランスよく持っている人に向いている科目です。
選挙のしくみや税金のしくみなどに興味を持っている人にとっては学ぶのが楽しい科目となるでしょう。
5. 倫理の特徴
倫理が扱うのは心理学・哲学・現代倫理の3つ。
これらの中で高校生にもわかるレベルのものを扱うのが倫理です。
ただ、8割は哲学なので「倫理=哲学史」と思ってもらって差し支えありません。
倫理も科目の特徴はおおむね政治・経済と同じです。
- 暗記量は標準
- 時に哲学者の難解な思想を整理して噛み砕く必要がある
- ものごとの根本的な原因を考えるのが得意な人に向いている
「何のために生きるのだろう」「社会はどうあるべきなのだろう」といったことを日常から考えている人にとっては、その問いへの答え(あるいはヒント)をくれる科目になるでしょう。1つ1つの理論は難しいものも多いですが、粘り強く本文と向き合い、学びを得ようとする姿勢があれば、学ぶにつれて楽しくなってくるはずです。
6.公共の特徴
公共は政治・経済と近いテーマですが、より日常的・実践的な科目だと言っていいでしょう。学習上の特徴はやはりほとんど政治・経済と同じです。
- 暗記量は標準
- 記憶力も論理的思考も自信がある人向け
家族制度や雇用(労働)、選挙など、自分たちの生活に根ざした社会的事象の理解を目的とする科目です。ニュースを見たり、新聞を読んでいる人にとってはなじみの話題も多いでしょう。現代の社会に関心がある人にとっては学びやすく楽しい科目になるはずです。一方で、数学や倫理のような理論的・抽象的な科目が好きな人にとっては、退屈に感じる話題もあるかもしれません。
まとめ
以上が、各科目の内容と学習上の特徴です。自身の得意・不得意だけでなく、自分がどのような知識や能力を養いたいかによって科目選択をするのもいいですね。
もし、さらに詳しい内容が知りたければ、教科書や資料集、あるいは参考書などを手に取って、実際にご自身で雰囲気を掴んでみてください。
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