評定平均は高校のレベルによって異なるんでしょうか?

AO入試(総合型選抜)基本のキ
評定平均は高校のレベルによって異なるんでしょうか?

総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜旧指定校推薦入試)などでは、評定平均が重要と聞きますがいまいちよくわかりません。
高校のレベルでもまた違ってくるのでしょうか?

みなさんこんにちは。
きっと多くの方が、大学入試に向けて準備を進めるにつれて、評定平均を心配する機会が増えているのではないでしょうか。
こちらの記事では、ご質問にお答えしながら評定平均事情についてお話ししていきます。

評定平均は高校内の内部評価ですが、大学入試ではそれがそのまま審査基準となります。
したがって、評価の甘い学校だと有利になる部分は出てきます。

1. 評定平均とその算出方法

各学期末に出る通知票では、各教科とも5段階評価で成績がつきますが、それらを足し合わせて科目数で割った値が評定平均となります。

評定平均は5.0が最大で、基本的に小数点以下第一位までで考えます。

ごく簡易化して例を挙げると、

国語:3.9
数学:4.2
英語:3.3

という成績であれば、評定平均は

(3.9 + 4.2 + 3.3)÷3 = 3.8

で3.8となります。

もちろん、これが1年から3年までの各学期で出ますので、さらにその平均を取った値が大学出願時に提出する評定平均の数値となります。

また、推薦入試やAO入試は夏~秋にかけて実施されることが多いため、3年生の1学期までが計算の対象となる場合がほとんどです。

さらにややこしいことに、学校によっては10段階評価を取っているところもあります。その場合、10段階評価を5段階評価に変換して評定平均を算出することになるわけですが、その10段階から5段階への置き換えのルールは高校によって異なります。
たとえば、85点以上を5としている学校もあれば、80点以上を5とする学校もあります。

評定平均の基となる科目ごとの評定は、どのように決められるのでしょうか。

2. 評定平均に全国統一の基準はない

この評定平均は、全国統一の評価基準によって付けられているわけではありません。
あくまでその学校「内」での相対評価で付けられている指標であり、評価方法も学校によって異なります。

したがって、ある学生(仮に普段の偏差値を50としましょう)が、背伸びをしてギリギリのラインの高校(偏差値55の高校)に入った場合、そのレベルの高い高校のなかでは下位層となってしまうので、高校での評定(平均)は低く出てしまいます。

一方で、実力より下の学校(偏差値45の学校)に入った場合は、おそらくその高校では成績優秀者となることができるでしょうから、結果として評定(平均)も高く出ることになります。
つまり、あくまで推薦入試(やAO入試)に限って言えば、「鶏口となるとも牛後となることなかれ」が成り立つことになるのです。

さらに、評定平均の基となる科目ごとの評定をつける基準も高校のレベルによって異なるとも言われています。
進学校では定期テストの比重が大きい一方で、そうでない高校では平常点が重視される傾向にあるのです。

3. 原則として、大学側が高校ごとに評定平均の扱いを変えることはない

そう聞くと、「レベルの高い学校にいるのだから、それを加味して評価してほしい」とお感じになるかもしれません。
しかし、原則として大学は、高校のレベルに合わせて、出願者の評定に傾斜をかけることはしません。少なくとも、それを大々的にやっている大学はありません。
その意味では、やはり、自分の実力より下のレベルの高校に入って、推薦入試で良い大学を狙うというのは、一つの戦略として成り立ってしまう部分もあります。

それでは、レベルの高い学校に入るのは不利かというと、そういうわけでもありません。
レベルの高い学校には、「指定校推薦」というかたちで、有名大学に出願する枠が多く割り当てられている場合があります。逆に、偏差値の低い学校には、有名大学への指定校推薦枠がないことも多く、その場合は公募推薦等で受験するか、一般受験で受験するかを選ぶこととなります。

指定校推薦のメリットは、ほとんど100%と言って良いほど合格率が高く、よほどの問題さえ起こさなければ進学が約束されます。
逆にデメリットがあるとすれば、選考に通ったら必ずそこの大学に通うことを約束しなければならないことと、高校内での指定校推薦枠の争奪戦が壮絶なことくらいでしょう。
では、誰が指定校推薦を勝ち取れるかというと、やはり評定平均が大きな審査基準となってきます。

4. 一般受験には、評定平均はそれほど影響しない

推薦系の入試では極めて重要になってくる評定平均ですが、一般入試ではたいして評価の対象にはなりません。
共通テストや英語の外部資格試験、あるいは大学が課す二次試験において、学力を審査することができるためです。
したがって、初めから一般受験で大学受験をすることが決まっている場合は、評定平均を過度に意識する必要はありません。

5. 多くの推薦入試や総合型選抜では出願条件になる

しかし指定校推薦の話題の中で述べたように、一般受験以外の入試方式では評定平均が極めて重要な数字になります。
評定平均は多くの推薦入試や総合型選抜で出願条件となっており、特に上位大学では4.0以上を要求することが多いです。
指定の数値を満たさないと合格はおろか出願すら受理されず、志望校を受験することができなくなってしまいます。
基準値を満たした後も、評定平均の数値が高ければ高いほど他の受験生との競争力は上がります。一般受験以外の選択肢を検討しているのであれば、評定平均を十分に意識しながら高校生活を送るべきでしょう。

ここまで評定平均について話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
みなさんの進路選択の参考にしていただければ幸いです。

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