TOEFLやTEAPの受験を考えています。英語のスピーキング能力の高め方を教えてください。

英語学習のポイント
TOEFLやTEAPの受験を考えています。英語のスピーキング能力の高め方を教えてください。

英語が得意なのでそれを生かして総合型選抜(AO入試)などで受験することを考えています。
調べるとTOEFLの点数を提出したり、上智大学だとTEAPという民間試験が利用されることがわかりました。
英語は得意なのですが、海外経験はないので、スピーキングはあまりできません。これらの試験にはスピーキングも含まれるので、英語のスピーキング能力を方法を教えてください。
高校2年生で、これから英会話教室などに通う余裕はないかな、と思います。

民間試験のためのスピーキング能力を高めたいのですね。
以下で、民間試験に必要な能力や、実力の付け方をご紹介していきます。

1.民間試験と日常会話のスピーキングの違い

ご質問にお答えします。
確かに特に最近は英語の四技能(話す・聴く・書く・読む)全てが重視されてきていますから、特に学校の授業では対策が難しいスピーキングについては不安に思うことでしょう。
私も高校の時はそんな人間の一人でした。
でもそんなに不安に思う必要はありません。
帰国子女でなくても、TOEFLやTEAP、もちろん英検やIELTSでも十分にスピーキングで点数を取ることはできます。
なぜか、それはそもそも求められているものが試験のスピーキングと日常会話では異なるからです。

具体的にはTOEFLもTEAPもあくまで「アカデミック」なことが「正しい英語」で伝えられるということが求められています。
対して日常会話に求められるのは意思の伝達です。
汚い英語でも、文法的に間違っていても、言いたいことが相手にスムーズに伝わればいいのです。
前者に必要なのが正確さだとすれば、後者に必要なのはテンポです。
つまり、ご質問のようにTOEFLやTEAPの点数をあげるためには、「アカデミックな英語」を「正確に」話す練習が必要です。
言い換えると、適切な語彙を使って、文法に則って話す訓練です。
「それが難しいから質問してるんじゃないか」となるかもしれませんが、大丈夫です。
ちゃんとした対策ができます。

2.一般的な民間試験のためのスピーキング対策

TOEFLにしろTEAPにしろ、あるいは英検にしろIELTSにしろ、根本的には同じ「英語」という言語の能力を測る能力ですから、当然共通する対策があります。
以下、私の経験を踏まえていくつかなるべく新しく参考書を買ったり、英会話教室に行かなくても良い対策をご紹介します。

英語の「型」を覚える

基本的には自分でスピーチをしたり、相手の質問に答えるというものが試験のスピーキングには多いように思います。
しかも質問のパターンというのはだいたい決まっています。ということは答え方のパターンもだいたい決まってきます。
ならば答え方の「型」、いうなればテンプレートを自分の中に作ってしまおう、ということです。
一度作ってしまえば、その試験で何を聞かれても、そのテンプレートを元に話していけば良いので、いちいち「これ英語でなんていうんだっけ?」と考える時間を省略できます。
最初はそれぞれの試験の参考書などに付いているスピーキングの模範回答(ネットにも探せばあります)をいくつか暗記するぐらいまで音読してみましょう。
音声がついていればそれも参考に。
いくつか覚えたら、今度は似たような答え方のできる問題を、暗記した回答の語句を利用して答えてみます。
あとはこれの繰り返しです。気づけば自分なりのテンプレートができていることでしょう。

書いてみる

とはいえいきなり全部暗記してそれを応用して話す、というのは難易度が高いです。
なのでまずは時間をかけて「書いて」みましょう。
資格試験の場合、「話す」と「書く」は発信能力を問うている時点で同じです。
よくWritingのときに"Write as you speak"と言われるくらいです(だからと言ってWritingで"Umm, it's like fxxk'in crazy like..."とか書いてはいけませんが)。
書き起こすと特に自分の文法の間違いに気がつくことができます。
さらに書き起こして見ればテンプレートも作りやすくなります。
スピーキングの最初の段階の練習として、スピードをつける前にまずは正確な英語を簡潔に書くことをやってみましょう。
注意点としては、あくまで話すことを前提に「簡潔に」書くということ。"The shorter, the better"が原則です。

口癖をつくる

スピーキング全般に言えることですが、帰国子女ではない日本人が英語で何か答えるとき、日本語で答えるよりも時間がかかってしまいます。
多くの人は「日本語を思い浮かべてから、それを英語に翻訳する」という作業をするためです(英語で思考までできたら苦労しないですよね)。
そうなると特に喋り出しに時間がかかってしまいます。
このタイムラグを埋めるための対策が「口癖をつくる」という行為です。
上の「型」を覚えるに近いですが、こちらは試験に関わらず、英会話全般にも使える対策です。
例えば最初に"I believe that ..."で始める、とかです。
この3語をゆっくり言っている間に頭の中で英作文を進められます。
こうすると回答がスムーズに聞こえ、黙っている時間を減らせます。
注意点としては口癖的に"um..."とか"Ah..."とか(所謂"filler")を使うのは避けてください。
日常会話なら良いのですが、あくまで試験なので、なるべくこういった語は排除しましょう。
更に言えば最終的にはこの口癖的な語も排除したいところではあります。
繰り返し使われると耳障りなこともありますし、何より制限時間がありますから最終的には口癖に頼らずともスムーズに英語が出てくる状態を目指したいですね。

シャドーイング

英語を話すことに慣れるというのも大切な作業です。
私達は普段そもそも英語を話さないわけですから、口が英語を喋ることに慣れていないわけです。
なので「正しい発音」、かつ「自然なスピード」で英語を話すことに慣れる練習が必要です。
そこで有効なのがシャドーイングです。
英語の音声を聞いて、聞こえたそばからそれを復唱しましょう。
「真似する」ことがポイントです。
できればTOEFLやIELTSなどの模範回答の音声があれば理想ですが、他にも手元の教科書や問題集の音声CD、さらにはBBC World News(ネットで無料でアクセスできます)など、お金をかけなくてもアクセスできる素材はたくさんあります。
ぜひそれらを使って、なるべくそれらを完璧に真似するよう努力してください。
自分の音声を録音したりすると自分の発音を客観的に聞いて直せると思います。

ひとりごと

一歩間違えるとヤバイ人と思われてしまいますが、独り言も有効な英語学習法です。
もちろん人前ではやらないで良いですが、家で一人の時とかに、思いついたことを英語で言ってみる、と言うのはスピーキングの練習になります。
時間とお金がないとなかなか英会話教室などに行ってネイティブと話す機会はないかもしれませんが、独り言ならいくらでも練習できます。
普段から練習しないとすぐに英語で自分の意見を言う、と言うのは難しいです。
何か思いついたことを、部屋にいるとき、お風呂に入っているとき、ボソッと英語でつぶやいて見ましょう。
これの繰り返しで最終的には瞬時に英語で何か返せるようになるはずです。

3.TOEFLスピーキングの対策

以下では上記に加えて具体的にTOEFLのスピーキングについて傾向と対策を簡単に紹介します。

TOEFL(ibt)

TOEFLのスピーキングはindependent taskとintegrated taskの二つがあります。

■Independent task

問題数:2問、準備時間:15秒、回答時間:45秒
<内容>あるトピックに対する立場とその根拠の提示
independent、つまり他の問題とは独立したスピーキングだけの問題ということです。
このindependent taskの難しいところは準備時間が15秒しかないところ。
「15秒の間に答えを思いついて、それを45秒の間に回答しきる」という技術が必要です。
15秒以内にアイディアが思いつくか、というのがおそらくいちばんの問題でしょう。
そこで必要になるのが、何かしらのトピックに対して、すぐにアイディアを思いつく能力です。
このための練習に有効なのが、Writingのトピックに対して準備時間15秒、回答時間45秒で解いてみるという練習です。
最初は難しいでしょうが、慣れてくると適当な答えが自分でもすぐに思いつくようになるはずです。
求められているのは矛盾なく論理的に回答することなので、答えやすいように嘘をついてもなんらかまいません。

■Integrated task

(1)Reading, Listening, Speakingのパターン:2問、準備時間:30秒、回答時間:60秒
<内容>ある文章を読み、同じトピックに関する音声を聞き、その二つを統合して要約
(2)Listening, Speakingのパターン:2問、準備時間:20秒、回答時間:60秒
<内容>音声を聞き、その内容の要約
Integrated、つまりいくつかの能力とスピーキング能力の融合的な問題です。
reading, listening, speakingの場合は、まずはreadingパートのメインとなるポイントを見つけ、続いてリスニングでそのポイントに関する説明または反論を聞き取り、最後にスピーキングでそのポイントと文章、音声の内容の関係性を示します。
たいていメインとなるポイントが歌津ほどあるので、「一つ目のメインポイントを要約→文章と音声の関係性を示す(こう反論している等)→二つ目の要約→関係性を示す」といった手順です。
これも30秒で一から回答を作り出すのは至難の技ですからしっかりと対策しましょう。
ここで有効なのは、先ほどの「型」を覚えるという作業、テンプレートを利用して45秒以内の文法的に正しい回答を作る練習です。
出題のパターンはほぼ同じですから、慣れてくると自分のパターンに沿ってスムーズに回答ができるようになるはずです。
またintegrated taskの方は内容を言い換えたりするわけですから、なるべく高度な語彙力を持っていた方が有利です。
これは模範解答から盗んだり、単語帳で学習したり、日頃の勉強次第です。ちなみにlistening,speakingのパターンに関しても対策法は同様です。

independent, integratedに共通して言えるのは、発音にはそこまでこだわらなくても大丈夫だと言う点です。
もちろん北米式の正確な発音(IELTSと違ってTOEFLは北米向け)の方が評価は高いのですが、それよりも大事なことは制限時間内に回答を終えることです。
ちなみにどうしても発音の練習をしたいけれど、周りに発音の指導をお願いできる先生がいないと言う方は自分の声を録音して、CDなどの音声と聴き比べたりすると発音の改善点が見えるかもしれません。

いかがでしたか。今回はTOEFLなどの民間試験に通用するスピーキング力の高め方をお伝えしました。質問者さんの参考になれば幸いです。

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