センター試験から共通テストに変わったことによって、英語では何がどう変わったのでしょうか。
求められるスキルに変化はあるのでしょうか。
共通テストの英語では図表が多く掲載されたり、リスニングの得点比率が増えたりと、大幅な変化がありました。それは、「実学」を重視する現代日本社会の要請を反映しているからだとみることができます。いま、自分に必要な英語力を再検討することが迫られていると言えるでしょう。
1. 共通テストで求められる英語
共通テストの試行問題では、以前のセンター試験の形式と比べて、「図表」が多く見られました。
また、独立した「文法問題」が目立たなくなる代わりに、単語・熟語の知識を直接問うような、「語彙問題」が目立つようになってきました。
リスニングの配点比率が高くなった点も要注意ポイントです。
(※ただし、それぞれの大学によって、得点換算の比率が異なるので、注意が必要です。共通テストそれ自体としては、リーディング100、リスニング100となっていますが、大学によってはそれを200:100や150:50のように、独自の配点に換算しているところも多いです)
個別の問題の対策方法も気になるところでしょうが、そもそも新共通テストの英語の問題は、どのような意図でつくられているのでしょうか。
受験生のどのような力を試すべく、このようなテストの形式が取られることとなったのでしょうか。
まずはその分析をしてみたいと思います。
2. 社会に出てから求められる英語
そもそも、現代の日本の英語教育業界は「実学」偏重になってきています。
「実学」というのは、「実際に社会に出て使える学問」という意味です。
もっといえば、「お金になる勉強」くらいの意味です。
たしかに、経済が低迷している今の日本社会に必要なのは、手っ取り早くお金になる知識や学問でしょう。
現に、大学に対してもそうした「社会人予備校」としての役割が求められている風潮があります。
大学生になると、皆こぞってTOEICを受験しますが、皆さんはTOEICというものがどういう試験なのかご存知でしょうか。
TOEICは、簡単にいってしまえば、ビジネス英語検定です。ビジネスメールの読解に代表されるような、「仕事で使う英語」の読み聞きの能力を測る試験なのです。
すると、共通テストへの切り替えには、TOEIC形式との類似性を見ることができるでしょう。
つまり、文部科学省を筆頭にした日本の英語教育業界は今、「時代は実用英語だ」と言っているも同然なのです。
3. 大学で求められる英語
しかし、このことを大学の先生たちはどう思っているのでしょうか。「パンフレットの読み込みやリスニングが重要視されるのはいいことだ」と思っているのでしょうか。
おそらくそうではありません。
ビジネスであっても、いくらメールが上手にやりとりできたところで、結局仕事の質やその人のアイデアがつまらないものであったのなら、その仕事は取引にまで行かないはずです。
それが、学問研究となろうものなら......。
大学の先生たちは、難しい理論を――つまり難しい英文を――何時間もかけて必死に読みとくような力を学生に求めているはずです。
現に、大学に入ると皆さんもそうした「精読」の授業を受けることになるでしょう。
つまり、小手先の英語力ではなくて、思考そのものを拡張し、深めてくれるような英語力をこそ、大学の先生たちは重視しているのです。
もちろん、この先のキャリアで皆さんがどのように英語と携わっていくのかは十人十色です。
ですが、まずはこのように、英語と言っても一つではないこと。大人たちは立場によって、皆さんに対して異なる種類の英語力を求めてくるのだということを覚えておいてください。
その上で、この先自分に必要な英語力はどのようなものなのか。あるいは、必要でない英語力はどのようなものなのかを自ら考え、自身の語学学習のあり方を再検討してみてください。
4. それぞれの英語への向き合い方
では、「英語学習」にも種類があるとわかったところで、学習者の心構えについて最後に述べたいと思います。
共通テストレベルの入試英語や、社会に出てから使うビジネス英語では、「実用性」が重視されます。そこには「正解」があり、それをいかに効率よく運用するかということが問題となるのです。
したがって、学習者にとっては、それを「覚える」必要はあっても、「考え」たり、「疑」ったりする必要はありません。そんなことをしている暇があるなら、一つでも多く単語や構文を覚え、条件反射的にアウトプットするスキルが求められます。
一方で、大学でやることになる学問としての英語は、英語という言語そのものを批判的に捉える姿勢が求められます。
たとえば、なぜ、動名詞と現在分詞はどちらも"~ing"という形を取るのでしょう。
もちろん、こんなことがわかったとしても、英会話のテクニックはほとんど向上しません。その知識さえあれば、電車の切符が買えるかというと、それはまた別問題です。
でも、仕組みや成り立ちを学ぶことは、それ自体どこかわくわくする部分がないでしょうか。大学の先生たちは、誰よりもそうしたことの探求を楽しむことができる人たちであり、学生たちにも、ぜひその楽しさを味わって欲しいと感じている人たちなのです。
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