センター試験から共通テストに切り替わることで、国語の問題は具体的にどのように変わるのでしょうか。
また、それに対してどのような対策をしていけばいいのでしょうか。教えていただけますと幸いです。
1. 共通テストでは「思考のプロセス」が問われる
現代文の共通テストの問題、もう解いてみたでしょうか。少し「変わったな」という印象を受けたのではないでしょうか。でも、何が「変わった」のかと聞かれると、答えに窮するのではないかと思います。
「記述問題が新設された」それはもちろんそうです。しかし、それだけの理解で良しとしていると、「何が問われているのか」まで思考を辿らせることができず、結局「場当たり的」に解くことになってしまいます。
では、記述形式の導入により変わったのは、どの部分なのでしょうか。それは、「思考のプロセス」を表現し回答することが求められるようになったということです。
共通テストの試行問題では、複数の登場人物がディスカッションを行ないながら、最終的な結論を導き出すというパターンや、複数の文章を読み合わせ、それぞれの共通点を述べるパターンなどが出題されました。
いずれも、最終的な結論を導き出すために、資料の「どこを」「どう」読んだかということを、訊こうとしているのです。
いままでであれば、最後の「結論」のところだけがフォーカスされ、内容一致の選択問題が出題されていました(この形式の問題も残ってはいますが)。
しかし、「なぜ」その答えになるのかというところを、さらに問うてきているのが新しい共通テストの問題なのです。
2. 「内容の考察」よりも「データや情報の整理」が重視されるようになった
また、こちらは些細な点ですが、引用される文章の質にも変化がありました。以前であれば、言語論・文化論・科学論といった、哲学的なテーマが多かったところを、法律の条文や図表とその説明といった、より「現実的(?)」な文章の採択へと軌道の変更がなされています。
この点については批判も多く、「大学は学問をするところであるから、入学資格の試験として扱う文章も、学術的なものであるべきだ。生活に必要な文章理解を、大学入試で問うべきではない」というような声も上がっています。
しかし、文句を口にしていても、おそらく事態を変えることはできないでしょうから、こうした出題形式の変更に、受験生の側が合わせていかなければいけません(もしかすると、こうした柔軟性も試されているのかもしれません)。
こうした文章に慣れておきたいということであれば、図表の多い新書を読んでおくと良いでしょう(ちなみに、「新書」とは新しい本のことではなく、文庫本が縦にもうちょっと長くなったサイズの本のことを言います)。
よくある誤解ですが、「新聞」はあまり(入試現代文の)読解力の養成には向きません。というのも、新聞は限られた紙面に情報を詰め込もうとするため、学術的な文章とは表現や文体が異なっているからです。もちろん、扱われているテーマにも違いがありますし、内容への踏み込みの「深さ」も違います。
3. でも結局、重要なことは変わらない
さて、共通テストに変わったことによる「変更点」を見てきましたが、実は根本をなすポイントはあまり変わっていません。
文章の対比を取り、因果関係を追うこと。指示語や接続語に注意を払うこと。そして、それらをもとに本文全体の構造を整理し、根拠をもって設問に答えること。それが求められ、問われているという点においては、センター試験も共通テストも同じです。
むしろ、そうした点をより正確にテストしようと試みた結果変更がなされたのです(それがはたして適切な変更だったかということは、後になってみないとわからないことですが)。
したがって、「何となくこういうことを言っていそう」という直感で解くのをやめ、あくまで論理的に本文を分析しなければなりません。
ただ、繰り返しになりますが、これはセンター試験の時から求められていた勉強法です。したがって、(センター試験対策のものも含め)優れた参考書を使用したり、優れた講師の授業を取っていれば、特に新しい、専用の対策をする必要はないでしょう。
形式の変更により、「共通テスト対策」と名打った参考書が各出版社から矢継ぎ早に出版されると予想されます。注意をしなければいけないのは、むしろこうした点です。
対処療法的に、十分な吟味・検討もなく出版された「共通テスト用」の参考書で勉強をするよりは、名著と名高い「センター試験用」の参考書で勉強をした方が、はるかに得るものは多いはずです。
自分に合っており、それでいて優れた参考書を見つけること。「教師」が役割を果たし、かつその力量を問われるのは、こうした点になってくるのかもしれません。
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授業では、本質を問う訓練をくり返し、基礎知識と応用力を身につけ、教わったことを「自分で使いこなす」という勉強の仕方を学びます。
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