数学の解法をすぐ忘れてしまうのですが、どうしたら改善できますか?

数学1A学習のすすめ
数学の解法をすぐ忘れてしまうのですが、どうしたら改善できますか?

数学などで1回解いた問題を2回目に解いてみたとき解法を忘れていることがとても多いです。
自分の間違えた箇所をマーカーでひいて次の日に確認したり色々工夫しているのですが、いざ、2、3週間後に解きなおしてみるときれいさっぱり忘れていることが多いです。
何か記憶から抜け落ちないようにするための良い工夫、意識することがあれば教えていただきたいです。
参考までに駿台全国模試の数学の偏差値は62ほどです。

間違えた問題を自分なりに工夫して解き直したりしても解法を忘れてしまう、ということですね。
そのような人は多いと思います。

まずは、そもそもの数学の勉強方法に対する考え方を改めましょう。
以下に数学を解くにあたって大切な3つの原則をご紹介します。
これらを知れば、「解法を忘れてしまう...」と悩むことはなくなるでしょう。

1.高校数学はどんなに難しい問題も基本的なステップの組み合わせ

よく、基本ができていない事に気づかずに難しい問題集に手を出して自力で解けないにも関わらず、解答を見て「やった気」になっている人がいます。
これは一番良くない勉強方法です。

なぜなら、難しい問題に「難しい問題なりの解き方」があるわけではないからです。
高校数学には、決まった基本的な解法パターンが存在します。
一見難しい問題であっても分割して考えてみると、それぞれは基本的な公式や定理の組み合わせから構成されていることがほとんどです。
難関大学の問題は、このパターン(ステップ)を複数組み合わせないと解けないから難しく見えるのです。(参考までに、センターレベルは1ステップ、MARCHレベルは2ステップ、早慶・東大レベルは3~4ステップ程度の組み合わせで解けると考えてください。ただし、3ステップ以上になる時は必ず前の問題をたどっていくことでステップを踏めるようになっています。)

質問者さんは難しい問題を「難しい解き方で」解こうとしていませんか?
できなかった問題の解答を読むだけで満足していませんか?

それではいつまで経っても難しい問題を解けるようにはなりません。
まずはどの解法パターンが使われているのか、分割して考えてみてください。
そうすると、一つ一つは基本的なステップで構成されていることがわかるはずです。
またこの「分割して考える」を続けていくと、問題のタイプごとに「どのような公式や定理を組み合わせれば解けるのか」という傾向が見えてくるようになります。
このやり方は時間がかかりますが、マスターすると最終的にはどんな問題が来ても対応できるようになるという安心感があります。
もしあなたが目の前の模範解答をただ覚えるのに終始する勉強をしているのなら、ぜひこの「分割して考える」勉強法を取り入れてみてください。

万が一「こんなの思いつくわけないじゃん!」という解法が載っていた場合は他の簡単な解き方があるか悪問なので気にしないでください。

ただし、「解法パターン自体がわからない」というのは偏差値60台を取れていてもあり得ることです。
自分が解答の分析を出来ないレベルだと気づいたら、「チャート式」や「1対1対応の演習」といった基本的な解法パターンが紹介されている問題集を使うなどして必ず基礎に立ち返りインプットしましょう。

2.数学は「本質」が大事

そこで大事なのが「本質追究」です。
公式の意味はわかっていますか?
定義は正確に覚えていますか?
式操作の意図はわかっていますか?
レベルが高い大学ほどこれらの「本質」を問う問題をだしてきます(参考:東大1999年第1問、東大2003年第3問)。
さらに、本質を理解すると「この問題は『つまり』何を問うた問題なのか」という問題の背景や作成の意図が見えてきたり、解答を深く理解できるようになったりします。(この過程を高校生一人の力でやるのは難しいかもしれません。そのような時は塾や学校の先生の力を借りることも一つの方法ですね。)

特に、模範解答を読む際には「なぜその解き方が採用されているのか」を意識しましょう。解法には「美しい解法」と「地道な解法」が存在します。
「美しい解法」とは「最初に想像力や発想力を必要とするが、ポイントに気づければあとは少ない計算量でスムーズに解けてしまうような解法」のことです。「美しい解法」にはその問題の本質が隠されていることも多いです。
一方で「地道な解法」とは「素直に解き進めることが容易だが、その過程で膨大な計算量や様々な定理の組み合わせを必要とする解法」のことです。いわゆる「計算力でゴリ押し」などと呼ばれるやり方ですね。

この二つは一概にどちらが優れていると決めつけることは出来ません。
個々の問題を解く際には「美しい解法」の方が労力は少なく、隠された本質を見つけられることも多いですが、実際には「地道な解法」しか存在しない場合も多いです。日々の学習においては計算力や様々な公式・定理を使いこなすという意味でも「地道な解法」を大事にしつつ、解答集などで「美しい解法」を見つけた際には、なぜその解法が成り立つのか考えてみたり、その「美しい解法」が他の類題に応用できないか考えてみたりするとよいでしょう。

そして数学が得意になってきたら、問題を解く際も解答を読む際にもなるべく多くの解法を探索しましょう。
多角的に問題を捉えることはすなわち本質を追究することでもあり、その問題の本質を捉えてしまえば解法を忘れてしまうということは起こり得ません。

3.具体化しよう

では、新しい問題を解く時にはどのようにして解法パターンの組み合わせを作り出せば良いのでしょうか。

どんなに賢い人でも、人間は抽象的なものを抽象的なままに捉えることはできません。
解法が思いつかない時は、実験をしたり視覚化したりして具体化することを心がけましょう。

関数の問題であればグラフを、図形問題であれば図形を実際に図示してみるというのは必須のテクニックでしょう。ただ与えられた情報を書き込むのではなく、未知数(xやy)に具体的な数値(0や1)を代入してみたり、補助線を引いてみたりといった実験が必要になる場合もあります。

数列の問題では最初の10項程度を実際に求めてみて、どのような数列なのかを事前にイメージしておくと、解答が求まった際に本当に合っているのかどうか確かめることが容易になります。

複雑な問題になればなるほど、「何を問われているのか」「どのような問題設定なのか」を具体的にイメージしながら解き進めていくという過程が必要になってきます。

また記述問題においては、図やグラフを用いて解法を説明する方が、文字だけで説明するよりも遥かに少ない労力で済むことが多いです。

ぜひ普段から「実際に手を動かして具体的な状況をイメージする」ということを意識してみてください。

以上、数学を解くにあたって大切な3つの原則について解説させていただきました。
1.高校数学はどんなに難しい問題も基本的なステップの組み合わせ
2.数学は「本質」が大事
3.具体化しよう

これらを意識するだけで数学の問題を解く際に見える景色が全く違うものになるはずです。
また1つの問題から吸収できる知識や応用力が大幅に増えるため、従来よりも早いスピードでの数学力向上が期待できます。
今後の勉強方法の参考になりましたら幸いです。

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