最良の歴史の勉強法~丸暗記からの脱却

歴史教科の勉強法 虎の巻
最良の歴史の勉強法~丸暗記からの脱却

高校受験では社会の分野で、大学受験では社会の選択科目としての日本史や世界史がありますが、皆さんは「歴史」の学習をどのように進めていますか?
ノートや教科書を丸暗記しても、テストでは点数がとれないということはありませんか?
実は、丸暗記したとしても点数が取れるわけではないんです。
歴史をどのような学習をすればいいかについて、お話しします。

一番大切なのは「なぜ」

歴史において、一番覚えるべきことは「誰が」や「いつ」ではなく「なぜ」です。

墾田永年私財法を例に説明します。
暗記が多すぎる勉強法では「墾田永年私財法は聖武天皇が743年に出した、自分で開拓した土地は永久に私有地にすることができるという土地法。」という理解になります。
これは墾田永年私財法の辞書的な意味をそのまま暗記しているだけであり、この方法で全ての用語を暗記することは多くの人ににとって物理的に不可能でしょう。

そこで、大切になるのが「なぜ」を意識することです。
例えば、「それまでの公地公民では農民が耕作に消極的になり、税収を確保することが難しくなったため、農民が耕作に積極的に行うよう誘導することを目的として墾田永年私財法が出された」のような「なぜ」に注目した理解をすることができれば、墾田永年私財法は公地公民が限界を迎えていた頃に出されたと推測することが可能であり、年号を暗記していなくても、聖武天皇の頃であるということも推測することができます。

「なぜ」と同じくらい大事な「結果・影響」

「なぜ」に注目して歴史事象を理解するだけでは歴史全体の理解としては不十分になってしまうでしょう。
ある歴史事象がどのような「結果・影響」をもたらしたかを理解することも必要不可欠です。

墾田永年私財法の例を続けると、「墾田永年私財法によって、貴族や寺社に土地が集まるようになり、初期荘園が出現した。また、この荘園が平安時代の武士の出現にも繋がってくる」のような理解が必要です。

「なぜ」と「結果・影響」の理解で得られるもの

ここまで「なぜ」と「結果・影響」を理解することの大切さをお伝えしてきました。
その目的は、歴史を「点」ではなく、「線」で捉えることです。
歴史は人物や土地、出来事などの無数の「点」から構成されています。その全てを覚えることは誰にとっても不可能です。
日本史や世界史という教科ではそれらの無数の「点」のうち、原因と結果がはっきりしており、論理的に理解できるものや現在に影響を与えているものだけを取り上げています。
だからこそ、それらの「点」をつなぎ合わせる「線」である「なぜ」と「結果・影響」の理解が大切なのです。

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