国立理系を目指していて、センター試験で社会が1科目必要です。
私は歴史がどちらかというと好きなので世界史を選ぼうとしたら、負担が重いから、と先生に反対されました。
周りは地理や倫理・政経をとる人が多いようですが、オススメはどれですか?
やはり地理などの方が楽なのでしょうか。
選び方のポイントなど教えてください。
今回は国立理系を目指している方に向けて、「共通テストの社会科目はどう選べばいいの?」という疑問にお答えしていきたいと思います。
1.共通テストの社会科で選択できる科目は?
国立理系を目指す人は、共通テストでは社会科を1科目受験することになります。
そんな社会科ですが、どの科目が選択できるか知っていますか?
世界史A、世界史B、日本史A、日本史B、地理A、地理B、現代社会、倫理、政治経済、倫理・政治経済の10個です。
特に前半の6科目のことを「地理歴史」、後半の4科目のことを「公民」と総称したりします。
AとBがある科目は何が違うのかというと、標準単位数と学習内容です。
文部科学省の定めるところによると、Bの方が単位数が多く、その分だけ内容も多くなっています。
※なお2025年度以降は、新課程カリキュラムに対応した大学入試が開始となります。
社会科目「地理歴史」「公民」には、それぞれ大きな変化があるので注意が必要です。(2023年度の高校2年生以降の受験学年が対象となります)
地理歴史:
従来の「世界史A」「日本史A」を統合した「歴史総合」科目が置かれ、履修が必須となります。
大学入試においても「世界史」「日本史」どちらの学習も必要となりました(一部の分野に限る)。共通テストでの科目構成に組み入れられているため、歴史系科目を選択する場合は念頭に置いておきましょう。
また、入試で選択科目とするかに関係なく、「地理総合」も履修が必須となります。
これら「総合」科目で学習する内容を参考にして、大学入試で利用する科目を検討するのも選択肢です。
公民:
従来の「現代社会」に代わり「公共」が新設され、履修が必須となりました。共通テストでは「倫理」「政治・経済」どちらを選択する場合でも「公共」がセットとなりました。そのため「公民」科目の受験において、「公共」の内容は必ず対策が必要となります。
2.どの科目を選択すべき?
「じゃあAで受験した方が楽じゃん!」と思った方、ちょっと待ってください。
実は多くの大学はB科目の方を受験するよう要求しているため、A科目で受験してしまうと受験できる大学の幅がぐんと狭まってしまうのです。
ですから地理歴史の場合は基本的にB科目から選択することになります。
また公民についても同様で、「倫理、政治経済は1科目分なのに、倫理・政治経済は2科目分もあって大変だ」と思うかもしれませんが、多くの大学は倫理のみ、あるいは政治経済のみでは受験できません。
そのため、実質的な選択肢は世界史B、日本史B、地理B、現代社会、倫理・政治経済の5つということになります。
もう一点注意事項があり、実は現代社会を利用できる国公立大学も限られています。
例えば東大、京大、阪大、名大、北大、東北大などは利用不可です。
自分の志望大学が現社利用可能かどうかをよく調べておきましょう。
どの科目を選ぶべきかは人それぞれですが、各科目の特性や得意/不得意、志望大学の条件などに応じて決めていくことが重要になります。
以下に、各科目を選択するメリット/デメリットを示していくので、科目選びの参考にしていただければと思います。
2-1.地理B
地理Bのメリット
- 暗記量が圧倒的に少ない
- 理系っぽい要素が含まれる
地理Bのデメリット
- 思考力が問われる
- 高得点が狙いづらい
理系に一番人気で、おすすめの1つが地理です。
地理は「地の理(ことわり)」と書くことからもわかるように、理系っぽい要素を含んだ社会科目です。
暗記量が少ないぶん、思考力を問われる問題が多く出題されます。
知っている知識がそのまま問題に出てくる問題は稀(「応仁の乱が起こったのは何年か?」のような単純な知識問題はほぼ出題されない)なので、試験中は頭をフル回転させることにはなりますが何より暗記量が少ないというのが大きなアドバンテージです。
じゃあデメリットは無いのかというと、そうではありません。地理受験で課題になってくるのは、高得点を取りにくいということです。
世界史や日本史は勉強量と点数がほぼ比例関係にあるのですが、地理はそうはいきません。
思考力を問う問題が多い分、どうしてもどこかしらで得点を落としてしまうのです。
なので他の社会科目に比べて、9割以上取る難易度は高いと言えるでしょう。
とはいえ、1度地理的な思考ができるようになると点数は安定してきますので、低い得点も取りづらいはずです。
2-2.世界史B
世界史Bのメリット
- 学校の授業で勉強することが多い
世界史Bのデメリット
- 暗記量が多い
- 範囲が膨大
5科目の中でずば抜けて暗記量の多い科目で、正直なところ理系にはおすすめし難いです。
もしあなたがすごく暗記が得意な人であったとしても、世界史は範囲が膨大なので暗記にかなりの時間を割かれることになります。
国立を受験するということは数学、英語、理科2科目もしっかりやらないといけないわけですから、共通テストでしか使わない世界史にそんなにたくさんの時間をかけていては他科目にも影響が出てしまう可能性は否定できません。
「学校の授業で世界史の授業は結構やっているから大丈夫!」という人でも、本当に授業に真剣に取り組み、授業時間内で隅から隅まで吸収できていない限り授業を受けていることの恩恵は得られないでしょう。
2-3.日本史B
日本史Bのメリット
- 小学校時代から馴染みがあり、勉強しやすい
日本史Bのデメリット
- 世界史と同じく、暗記量が多い
世界史に続いて暗記量の多い科目です。「卑弥呼」など小学校の社会で勉強した内容が根幹にあるため、世界史と比較すると勉強しやすいかもしれません。
しかしこちらも世界史と同様に暗記量が多く、他教科の勉強を優先すべき理系の方にはおすすめできません。
2-4.現代社会
現代社会のメリット
- 勉強せずとも常識で問題が解ける場合がある
現代社会のデメリット
- 利用できない大学がある
先ほども述べたように、現代社会は利用できない大学があるため注意をしなくてはなりませんが、実は現代社会ならではのアドバンテージも存在します。
それは「常識である程度問題が解ける」ということ。
実際筆者の友人にも、初めて共通テスト式の模試を受験した際(当時彼はまだ現代社会の勉強をしていなかった)に7割近くの得点を叩き出した人がいました。
「現代社会」というくらいなので、現代に生きている我々は世界史や日本史と違って常識で結構得点できてしまうのです。
ですから、普段からニュースや新聞などをこまめにチェックしている人にはお得な科目と言えるかもしれません。
2-5. 倫理・政治経済
倫理・政治経済のメリット
- 暗記さえ頑張れば点数が安定しやすい
倫理・政治経済のデメリット
- 暗記量が多い
- 学校で授業が無い場合は独学になる
こちらは日本史の次に暗記量が多い科目です(3番目なので、普通くらい)。
学校で倫理・政治経済の授業があるという人は選択肢に入れてよいと思いますが、無いという場合は独学で勉強することになるのでちょっとしんどいかもしれませんね。
とはいえ、暗記モノなので点数は比較的安定する科目ですし、地理のように高得点が取りにくいということもありません。
ですから、数学、英語、理科の基礎力にある程度自信があって、少しはインプットの時間が取れるという人には大いにアリな選択肢だと思います。
3.最後に
繰り返しになりますが、共通テストでの科目選択は、各科目の特性や得意/不得意、志望大学の条件などに応じて総合的に決めていくことが重要になります。
この記事の情報を参考に、自分なりにベストな科目を探してみてください。
健闘を祈ります。
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