将来、理科の教師(中学校教諭・高校教諭)になりたいのですが、教育学部に行かないとだめでしょうか?

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将来、理科の教師(中学校教諭・高校教諭)になりたいのですが、教育学部に行かないとだめでしょうか?

高校1年生で将来は教師になりたいと思っています。
理系科目が好きで理科の教師などを考えているのですが、大学ではどの学部に進めば良いのでしょうか?
教師になるための免許の取り方などがよくわからないのですが、教育学部じゃなくても大丈夫なのでしょうか。

理科の教師になりたいけれど、大学でどのような進路を選べば良いのか、お悩みなのですね。
「1.教師になるまでのステップ」と、「2.教師になるためには教育学部を出なければならないの?」、の2つに分けてお答えしますね。

【目次】
  1. 教師になるまでのステップ
    1-1.「免許所得に必要な授業の履修」
    1-2.「介護等体験(中学校のみ)と教育実習」
    1-3.「教員採用試験の受験」
  2. 教師になるためには教育学部を出なければならないの?
    2-1.そもそも教育学部ではどのようなことを学ぶのか?
    2-2.教育学部以外から教師になるためには?

1.教師になるまでのステップ

そもそも教員免許には複数の種類があり、理科教員の免許は大きく高校と中学で分かれています。大学の教職プログラムは一般的に「普通免許状(一種)」の取得を目指します。
この記事では、高校と中学を区別せず、全般的に「理科の教員」になるための方法について記述していきます。

教師になるまでのステップとしては、大きく下の3つが挙げられます。

  1. 大学で免許取得に必要な授業を履修する
  2. 介護等体験(中学校のみ)と教育実習
  3. 教員採用試験の受験

1-1.「免許所得に必要な授業の履修」

これについては、以下の「2.教師になるためには教育学部を出なければならないの?」で詳しくお話ししましょう。

1-2.「介護等体験(中学校のみ)と教育実習」

教育実習は皆さんにもイメージがつくでしょう。
自分のクラスに教育実習生が来た、という経験を持つ人は多いのではないでしょうか。
教育実習は短くても2週間、長いと4週間行う場合もあります。
教育実習を通らずして、教員免許を取ることはできません。

では「介護等体験」とは何でしょうか?
これは、介護等体験特例法という法令に基づき、小中学校の教諭の普通免許を所得する人に義務づけられているものです。
具体的には、特別支援学校での実習2日間、老人ホーム等の社会福祉施設での実習5日間、計7日間の実習が義務付けられています。

1-3.「教員採用試験の受験」

大学で必要な授業を履修し、介護等体験(中学校のみ)、教育実習を受ければ教員免許は取得できますが、実際に教壇に立つには教員採用試験に合格する必要があります。
教員採用試験では、自分が教える科目の知識の他、大学の授業で学ぶ教育法規や心理学、教育の歴史といった、教職にまつわる様々な範囲の知識が要求されます。
公立学校に関しては、各地方公共団体で行われている教員採用試験に合格して初めて、教諭として働けるようになります。
私立学校に関しては、各学校で行われている独自の試験を受けることになりますが、都道府県の私立学校協会が統一試験を行っている、という地区もあります。

2.教師になるためには教育学部を出なければならないの?

結論から先に言いますと、必ずしも教育学部である必要はありません。
皆さんの周りには、教育学部以外の学部を出ている先生も多く活躍しています。
では、教育学部を出て教師になることと、教育学部以外を出て教師になることには、どのような違いがあるのでしょうか。
注意すべき点もありますので、以下に解説していきます。

2-1.そもそも教育学部ではどのようなことを学ぶのか?

教育学部では、教える教科の専門的な内容も扱いますが、やはり教育法規や教育方法論など、現代の教育を支える仕組みやこれからの教育の新しいあり方を考えるための授業の方が多く設置されています。
教育学部にいると、大学卒業と同時に教員免許所得に必要な単位が取れるようにカリキュラムが編成されています。
そのため、「教員になりたい」という志が強い人は、教育学部に進むのが良いといえるでしょうし、実際のところ教員になるための一番の近道はまず教育学部に入ることでしょう。

2-2.教育学部以外から教師になるためには?

ところが、教育学部以外からでも教師になる道は残されています。
それは、「卒業に必要な単位に加えて、教員免許に必要な単位をとること」です。
「教員にはなりたいが大学でもっと教科の専門性を磨きたい」「教員にはなりたいけれども他の進路も視野に入れている」といった人には、こちらの道を進むことが適しているといえるでしょう。

しかし、「自分が研究したい内容」と「教職プログラムの有無」を中途半端に妥協することなく、自分が何をしたいのかを受験前に明確化しておくことが大切です。

自分の学部で受ける授業に加えて、教育学部の人達が受ける授業を履修することになるので、教育学部から教員免許を取るよりも大変になります。
また多くの大学で教職の授業は夕方から夜にかけて開講されているため、「朝から晩までずっと大学にいる」というライフスタイルになることも想定できます。
両立が難しく、途中で諦めてしまう学生がいるのも事実です。

このように教育学部以外でも教員免許に必要な単位をとることが可能な場合がありますが、学部の勉強と教職の勉強を両立できるかを慎重に見極めて判断することが重要になります。

また、理科の教員免許が取得できる大学は、他の科目と比べても少ない傾向にあります。自分の進もうとしている大学学部および学科で、自分が教えたい科目の教員免許を取得できるかどうかの情報は、あらかじめ入手しておきましょう。
例えば理学・工学系の学部学科の中には、理科・数学の一方の教員免許しか取れない学科もあれば、両方取れる学科、情報の教員免許も取れる学科など、様々な学科のパターンがあります。

以上、これまでの内容をまとめると、

  • 教員になるためには、大学で必要な授業を受け、教育実習・介護等体験を行い、教員免許を取得したうえで、教員採用試験に合格する必要がある
  • 教育学部以外でも教員になることは可能だが、その分取る必要のある授業が増えて大変になる

ということになります。

参考までに、教員就職者が多いランキングを掲載します。

大阪教育大学487 愛知教育大学483 北海道教育大学444 文教大学441 広島大学385 東京学芸大学383 福岡教育大学367 日本大学328 埼玉大学297 岐阜聖徳学園大学286 出所:大学通信(2017年の就職状況)

いかがでしたでしょうか。
理科の教員という目標を持っていることは素晴らしいことですので、教員免許を取得する方法を様々な観点から検討してあなたにとって最善の選択をしてください。
健闘を祈ります。

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