【動画】#5 やる気になる声かけの極意～「変わる」×安心編～

＜『変わる』ときの壁とは＞
最後に、「この方法で変わるぞ！」と実際にやろうとする時にまだ一個壁がありますよねっていうところの確認からいこうと思います。

どうしても「変わろう」とすると怖い部分があると思うんですね。自分を変えるとなるとより大きな不安が押し寄せてきます。そこをまず、「大丈夫だよ」という安心に変えていく、そんな声掛けも必要になってきます。

「こっちの方向に変わりたい、」「変えようかな」と思ってやってみたら、「あぁ...」みたいな結果になるような不安が足かせになる時、「そういう不安は杞憂だよ」「恐れることはないよ」っていう状態にもっていくのは、変わるというタイミングでは重要なポイントになります。安心材料を渡していくっていうところでは何かポイントはありますか？

＜「安心」をつくるコミュニケーションとは＞
一番最初にやってあげたいのは、まず目標を細かくすることですね。ダイエットしたことある方、共感していただけると思うんですけど、いきなり10kg落とすってなかなかしんどいと思うんです。

ただ、「1ヶ月でまずは1kgを目標に」となると「だったらできるかもしれない」と安心に繋がっていきます。細かく区切っていって、本人の「できそうだ」という安心感をあげつつ、実際に実行する・やっていくとなった場合に、一緒に走ってくれる伴走者がいた方が良いです。

それは講師が授業・面談で「できるようになりたい」「大丈夫。じゃぁ一緒にやっていこうね」と、こんな伴走もありますし、学校で放課後一緒に勉強するお友達を作る、一緒にステップアップしていける友人が横にいる、というだけでも安心感に繋がります。

ご家庭の中で保護者がそういう役割を果たすというのも一つの手段になると思いますし、変な評価者が周りにたくさんいる状態を作らないっていうのもポイントだったりしますよね。

もう一つ大事なことは、「共感」。

「不安なのは自分だけじゃない」とわかるだけでちょっと楽になったりっていうのはあると思うんです。

ご家庭の中で親御さまが、ちょっと寄り添うコミュニケーションをしてあげるっていうのが、意外と有効だったりするのかな、と。

どうしても、「でも自分で言ったんだから頑張りなさい」って言いたくなっちゃうと思うんですね。そこでぐっとこらえて、この子がこれから頑張っていってくれるために、今日一日は「わかる」「たしかに」「こわいよね」「大変だよね」そういった共感の一言があるだけで、一番シンプルなんですけれども、一番効果があると思います。

あとは、恐怖・不安をシェアするというところもありますし、そもそもの前提部分でセーフティーネットを張ってあげる。人間どうしても間違えるのは怖いじゃないですか。

その中で「失敗は悪じゃない」「失敗することや転んでしまうことは悪いことじゃない」と明言することで「あ、やってもいいんだ」「失敗してもいいんだ」「ダメなことじゃないんだ」それだけでほっとする、走り出すエネルギーに繋がっていくということもあります。

変わるって本当にエネルギーが必要なことだと思いますし、「周りの人がどう思うかな？」と生徒はモヤモヤするっていう状態になったりすることもありますね。

「今から新しいことにチャレンジしようとしているんだから、多少は失敗するよね。ドンマイドンマイ！」という心持ちでご家庭でのコミュニケーションがとれると、もしかしたらうまくいくところも出てくるんじゃなかな、と。

いろいろ喋ってきましたけれども、全部やってなきゃ意味がないっていうわけでもないですし、どれか1個でも参考になればな、と思います。

ご家庭の中のコミュニケーションのエッセンスとしてご参考いただければなと思います。

「溶かす」とか「変わる」という部分でやってきて、一番大変なのは、結局それが続くかどうか、継続・習慣といった部分になってくると思いますので、次回以降、習慣化や続けていくところについてお話ししていきたいと思います。