東京大学の理科一類を志望ですが、最近理科二類も迷っています。改めて理科一類について詳しく知りたいです。

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東京大学の理科一類を志望ですが、最近理科二類も迷っています。改めて理科一類について詳しく知りたいです。

東京大学の理科一類を志望しているのですが、理科二類のほうが合格最低点が低いことを知って理科二類を志望した方が良いのかな?と考え始め、迷っています。
そこで、理科一類の雰囲気や受けられる授業について知りたいです。また、理科一類からはどのような学部に進学するのかも教えてください。

みなさんこんにちは。
東京大学の「理科一類」「理科二類」「理科三類」という言葉はよく耳にしますが、違いについて深く知らないという方は多いのではないでしょうか。
この記事では東京大学の理系志望の方々に向けて、どの科類に入るのが良いのか、各科類の雰囲気や授業についてや、進学先の学部など細かいところまでお話ししていこうと思っています。
東大の理科一類、理科二類、理科三類の違いがよくわかっていない人は必見です。

1.東大の「科類」ってなに?

みなさんは東大の「科類」が何なのかご存知ですか?
この記事を読んでいるということはある程度ご存知かと思いますが念のため説明しておくと、東大は入学時点では、多くの大学のように理学部や法学部などの学部には所属せず、全員が教養学部というところに入ることになります。
教養学部の中でも理科一類、二類、三類と文科一類、二類、三類というグループ分けがなされており、この各グループを科類と言います。
これは慶應義塾大学の「学門」制や、東工大の「学院」制に近いもので、このグループ分けのどこに属するかは願書提出時に記入したところになります。
次の項目では各科類の違いについて見ていきましょう。

2.理科一類、理科二類、理科三類はどう違うの?

本題である各科類の違いについてお話しします。
理科一類は主に進学選択(→「3.進学選択について」参照

で理学部や工学部への進学を考えている人向けの科類です。
また理科二類は農学部や薬学部への進学を考えている人向けの科類、理科三類は医学部への進学を考えている人向けの学部となっています。
「○○学部への進学を考えている人向け」という表現をしましたが、教養学部所属中の試験の成績がある程度良ければ、各科類の主な進学先以外の学部にも進学することができます。例えば理科二類に入った場合理学部や工学部には進学できないのかというとそうではありません。
また、理科二類からの薬学部進学は人気が高いため、理科一類からであれば比較的低い点数でも入れる可能性があるとも言われています。

ただ東大は全国から優秀な学生たちが集まる場なので、そこで優秀な成績を収めるのはそう簡単なことではありません。東大の願書提出時に志望学部がある程度決まっているのであれば、そこに進学するのに最適な学部を選ぶようにした方が無難です。
ちなみに、理科三類は毎年の合格最低点が理科一類、理科二類よりも圧倒的に高く、日本で最も入るのが難しいと言われたりもしますが、理科一類や理科二類に入ったのちに医学部へ進学するのことはそれよりもさらに難しいです。
ですから、科類選びを軽率に行ってはいけないのです。
相談者さんは「理科二類の方が合格最低点が低いことを知って」とおっしゃっていますが、理科二類の方が低いといっても高々10点くらいです。むしろ、2011年度や2014年度のように理科二類の方が合格最低点が高かった年度もあります。

入学後に苦労して勉強して他科類の主な進学先となっている学部に進学するくらいだったら、行きたい学部に行きやすい科類を願書提出時に選択した方が良いと思います。

3.進学選択について

ここまで「進学選択」という言葉が何度か出てきましたが、この言葉はご存知でしょうか。
進学選択は以前は「進学振分け」(通称:進振り)と呼ばれていたもので、最近名称が変更されました(名称が変わっただけでシステムは特に変わっていません)。
これは何かと言うと、学生たちが2年生の夏に進学したい学部の希望を提出し、教養学部在籍中の成績を元に、各学部志望者の中で成績の良かった人から順に進学先が内定していくというシステムです。

この進学選択で進学先が内定しなかった者は自動的に降年扱いとなり、1年後期からやり直す事になります。
もしかするとみなさんの中には「大学に入ったらもう受験期みたいに真面目に勉強しなくてもいいんだ」と考えている人もいるかもしれませんが、良い成績を取らないと希望の学部に進学できない可能性があります。ですので、勉強はしっかり継続していかなくてはなりません。
当然といえば当然ですね。
また、進学選択においてはいわゆる「文転」や「理転」も可能です。すなわち、理系だった人が文系学部に進学することや、文系だった人が理系学部に進学することも可能ということです。
いずれも枠はかなり限られていますが、選択肢として存在はするということを知っておきましょう。

4.各科類の授業について

続いて、それぞれの科類の雰囲気についてお話しします。
まず理科一類ですが、例年1,000名以上の定員で募集しているだけあって割合は一番多いです。
中学・高校時代に科学系のオリンピックなどでメダルを獲得していたり、入試本番の理数系科目で9割以上の得点を叩き出していたりと、理数系にとてつもなく強い人も在学しています。
入学後のクラスは、理科一類に入った人の中で同じ第二外国語(通称:二外)を選択した人が固まったクラスに割り振られます。
これだけ聞くと真面目すぎるイメージを持つかもしれませんが、活発な人も多い印象です。

次に理科二類、理科三類についてですが、この二つに科類の募集人数を足しても理科一類の募集人数の半分程度にしか及ばないため、割合的には少ないです。
そのため入学後のクラスは二つの科類を合同にし、同じ第二外国語を選択した人が固まったクラスに割り振られます。比較的落ち着いた人が多い印象ですが、理科二類のクラスは参加意欲が高く楽しそうな雰囲気があるともされています。

学生の女性比率も、科類によって異なります。理系科類では理科一類の女性比率が最も低く、理科二類が比較的高いです。しかし東京大学の学部生全体の女性比率が3割を下回っており、男性が多数を占める傾向は理科二類でも例外ではありません。

5.各科類の授業について

授業についてですが、必修の授業(必ず単位を取得しなければならない授業)が異なります。理科一類は物質科学に重点を置いている一方で、理科二類と理科三類は生命科学の授業が多いです。
また、基礎実験の内容も異なります。理科一類は基礎物理学実験・基礎化学実験を行いますが、理科二類はこれらに加えて生命系の実験も含むことになります。
それでも科類が別だからといって全ての授業が別という訳では決してなく、必修の授業以外はほとんどが科類合同で開講されます。

ここまで、東大理系の各科類の違いについて話してきましたがいかがでしたでしょうか。

合格最低点や進学選択、雰囲気、必修科目など様々な要素がありますが、皆様の科類決めの参考にしていただければ幸いです。

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