【理系進路】理学部・工学部・理工学部は何が違う?どう選べばいい?

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【理系進路】理学部・工学部・理工学部は何が違う?どう選べばいい?

理系の高校生です。志望校選択で学部・学科選びをしていますが、大学によって理学部・工学部・理工学部などがあり、それぞれどう違うのかよくわかりません。
それぞれどのような違いがあり、またどのように学部を決めるべきでしょうか?

模試を受ける時などで志望校・学部・学科を記入することがあると思います。しかし理系の学部は大きく理学部・工学部・理工学部の3種類があり、初めて見たときはそれぞれ何が違うのかわかりにくいかと思います。
こちらの記事では、これらのそれぞれの特色や、学部選びに際して注意すべきことについて紹介していきます。

1. 理学と工学の違い

理学部・工学部・理工学部の違いを理解する上で、まずは理学と工学の違いを押さえることが大切です。
双方とも同じ「理系」という括りでまとめられていますが、それぞれが目指すものは大きく異なります。以下、詳しく見ていきましょう。

理学:原理と基礎の探究

理学部が目指すものを一言で言うと「この世の中で起きる現象の法則性を解明し、未知なる現象の説明を試みる」ことです。
物理学の場合だと「自然現象が持つ法則性を解明する→発見された法則を用いて、他の現象もまとめて説明する」という営みが理学の根本にあります。

具体的な学科としては、数学・物理学・化学・生物学・地球惑星科学が代表的です。
入学後、はじめは高校で扱う理系科目の延長として数学や理科の発展的な内容を学び、研究段階では最前線の未解決問題に挑みます。
知識を実社会へ応用することに関してはそこまで大きなモチベーションはありませんが、人類にとって未知な領域を切り開いていくことにはロマンがあります。

工学:科学技術の社会への応用

工学部が目指すものは、「科学技術をどのようにして実社会に応用するか」です。
例えば、機械工学の分野では様々な動力機構を組み合わせて目的にあった機械やロボットを考案し、作成します。
具体的な科目としては、材料工学・応用化学・機械工学・制御工学・情報工学・生命工学・建築学・都市工学などがあり、理学部に比べても非常に幅広いです。
入学後、はじめは科学技術の基礎となる知識を学び、研究段階では実社会に対する課題解決を考えます。
科学技術の原理の解明などにはそれほど大きなモチベーションはありませんが、実在する問題に対して科学技術をどのように応用していくかを考えることには大きなやりがいがあります。

以上のように、理学と工学は目指す方向性について大きな違いがあります。しかし、両者がまったくの別物というわけでもなく、非常に密接に関わりを持っています。
特に、入学直後から学ぶ基礎の数学や理科の内容は共通しており、必要とされている基礎知識はほぼ同じです。
また、理学での発見が工学に応用され、逆に工学での課題が理学研究に影響を与えるといったように、理学と工学の発展は相互作用的に行われます。

2. 理学部と工学部、理工学部の違い

理学と工学の違いが分かれば、理学部・工学部・理工学部の違いも自ずと分かってきます。
理学部が主に理学の勉学や研究を行う学部である一方で、工学部は主に工学の勉学や研究を行います。理工学部は理学部と工学部を合併したものになります。

学部として理学部と工学部に分かれている大学は、旧帝大や東工大などの難関国立大学に多く、東京理科大や立教大など一部私立大学でもみられます。
一方、理工学部としてまとめられている大学は、中堅国公立に加えほとんどの私立大学などです。
詳しくは志望校のホームページなどを見て各学部や所属する学科を確認してみましょう。

3. 学部選びでの注意点

理学部・工学部・理工学部の違いが分かったところで、是非それぞれの違い、特に将来の進路についての違いをしっかり理解した上での学部選択を心がけてください。

理学部が基礎研究に注力しているため企業の研究室や教職が一般的な就職先とされている一方で、工学部は実用的なモノづくりを学ぶためメーカーや技術営業への就職も見込めます。
自分が将来やりたいことが既に決まっている場合は、そこから逆算して大学で何を学ぶべきかを考えた上で志望学科を選択しましょう。

逆に、将来の希望が決まっていない場合は、自分がやりたいことが理学寄りなのか工学寄りなのかだけでも早期に決断することをお勧めします。
両者は近しいところは多いですが、やはり目指す方向性が大きく違うため、自分の志望にマッチしない学部に進んでしまうと大学での学びや研究が苦痛になってしまいます。
受験の募集方法としても、理学部と工学部でそれぞれ募集が行われたり、理工学部として学部が合併している大学でも各学科ごとに募集が行われることがほとんどであるため、将来の目標を早い段階である程度決めることが大切です。

どうしてもやりたいことが決まらない場合は、東大・東工大・慶應理工など入学後の進路振り分けがある大学や、ICU・慶應SFCなどのリベラルアーツ教育を行っている大学を目指してみるのも一手です。
入試難易度は高いですが、入学後に様々な学問分野に触れながらやりたいことを決められるため、進路を決断するための時間が欲しいという方にはお勧めです。


今回は理学部、工学部、理工学部の違いについて、そもそもの学びの内容の違いに着目して説明してみました。みなさん、いかがでしたでしょうか。
学びに対する関心や大学卒業後の進路などを考慮に入れながら、ベストな学部選びを目指しましょう。
応援しています。

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