慶應義塾大学の法学部・経済学部志望です。
小論文というものに触れたことがないのですが、あまり時間を割きたくありません。
小論文の参考書を読んで勉強しようと考えているのですが、参考書だけで大丈夫でしょうか?
通信の添削などに頼るべきでしょうか?
慶應義塾大学の小論文対策についてですね。
こちらについては、学部によって非常に大きな差があります。
特にSFC(湘南藤沢キャンパス:総合政策学部・環境情報学部)を目指す場合はそうですが、質問者様(経済学部志望)のように日吉・三田の学部を目指す受験生も小論文の対策はしっかり行わなければ受験で不利になってしまいます。
まず結論から申し上げますと、
どの学部に行くにしても「小論文は国数英理社とは違って勉強しなくても大丈夫、差がつかない」という考えは捨てましょう。
配点で考えても無視できませんし、「実際に受験を終えてふたを開けてみれば、勝敗を分けたのは小論文だった」ということが大変多いです。ほかの教科(とりわけ現代文と社会)の成績が安定しており、かつ書き方さえつかむことができれば、じつは「小論文への苦手意識をなくす」ことはそこまで難しくはないのです。
「ただでさえ、英語や社会など、教科学習の対策だけでも手一杯...」
「現代文である程度点が取れているし、小論文はノー勉でもいけるのでは...?」
といった声もよく耳にします。
事実「小論文の対策はほとんどせずに合格を勝ち取れたよ」という方もおられます。
ただ、これも気を付けねばならないのは、「圧倒的な下積み」があったからこそ成し得ることなのです。
小論文が現代文の記述問題と決定的に異なる点は「論理的に正しさとともに、自身の主張を述べる」という点です。
たとえば、これまでの高校生活で、
「ディベート大会に積極的に参加していました」
「大学教授と日常的にやりとりをし、自身のレポートの添削をしてもらっていました」
「プレゼン大会によく出場しており、資料づくりは慣れています」
などの経験をしている方であれば、
小論文を書く「基礎筋力」は十分持つことができていると言えるでしょう。
ただ、上記の経験を持っていたとしても、採点基準のなかに「独創性」が含まれていることも多く、「論理的に正しいことを言えている」「でも誰でも言える、抽象的な意見を述べている」となると、高得点を狙うことは難しくなるのです。
ですから、やはり受験予定の学部の過去問をたくさん解き、また受験予定の学部に関連した時事ネタや学術テーマに触れ教養を広げることは、とても重要になってきます。
では具体的に、経済学部の過去問の傾向はどのようなものでしょうか。
経済学部の問題は、比較的専門的な内容を含む、400字程度の論述問題になります。
基本的には「課題文型」という、「文章がまず与えられ、それを踏まえて自分の論理を展開する小論文の形」になります。
ただ、実際に問題で頻出されるのは「ミクロ経済学の価格理論」の基礎的な内容や「統計学・ゲーム理論」だったりします。
可能であれば経済学や統計学の入門書に1冊ずつ目を通しておくことをおすすめします。経済学・統計学の基本的な考え方をつかむことができるはずです。
重要なことは、「自分が志望する学部で何を学ぶのか」「その学問(discipline)はどのようなものか」というイメージを事前に知っておくだけでかなり有利になるということです。
経済学部であれば経済学、といった様子で過去問などを見ながら、適宜必要な知識のインプットを怠らないことが不可欠です。
(なお、しばしば経済学部と商学部を併願しながら受験する方がよくいらっしゃるのでお伝えしておくと、商学部は「小論文」という名前でありながら、実際は穴埋め問題に近い形式です。出題される内容自体は経済学部と似ていますが、出題系傾向が大きく異なるため注意してください。)
さて、経済学部など、商学部を除く日吉・三田キャンパスの学部であれば、それに加えて「課題文型」の小論文に慣れる必要があります。
これはそれほど難しいことではありません。
主に気を付けるべき点は以下の4点になります。
- ①筆者は本文で何を主張しているのか(課題文の要約)
- ②設問は何を聞いているか(設問内容)
- ③自分の主張をいかに説得的に描くか(説得性)
- ④小論文の体裁を持った文章をかけているか(小論文のお作法)
このうち、①と②は現代文の記述問題的な能力ですね。
では、③と④はどうでしょう。
結論から申し上げますと、④については一般的に販売されている小論文の参考書で非常に詳しく書かれているものが多数あるため、是非参考にしてください。
しかし、③についてはなかなか受験生自身で判断できないことが多いのが現実です。
そこで重要になってくるのが「添削」です。
通信教育や学習塾の小論文講座が有効なのは特にこの③についてです。
もし時間などの理由で上記のようなサポートを得ることが難しい場合には、学校や塾の国語の先生(いれば小論文担当の先生)にお願いできないか相談してみましょう。
また、気を付けるべき点に書いた「説得性」ついては、客観的な視点で文章を読んでもらう、という点が最低限必要です。
もし以上の方法が難しい場合には、親御さんに見てもらうのも一つの方法です。
次に、演習や添削を始める「タイミング」についてですが、これは早いに越したことはありません。
最低でも高校3年生の夏くらいまでには、一通り小論文についても最低限のスキルを身につけておくと、その後の受験勉強で足を引っ張ることがなくなります。
最後に補足ですが、今回お話しているなかで、あえて「日吉・三田キャンパスの学部」と言っている理由ですが、それはSFCの問題形式が大きく異なるからです。
SFCの問題は「複数資料分析型」と呼ばれるもので、比較的珍しいタイプの問題(ほかの例としては、九州大学共創学部など)になります。
この問題形式については、上記の気を付けるべき点①〜④に加え、「資料から、いかに短時間で、多くの必要な情報を見抜けるか」ということが問われます。
ある種のメディアリテラシーとでもいうべきでしょうか。
どこの学部を受けるにしても基本的な小論文のコツを抑えたのちは、過去問演習がメインになるかと思います。
「予備校ごとに模範解答が違う」といったケースがあるほどに、"何を読み取るか"が難しい問題も数多く存在します。
可能であれば通信講座や学習塾・予備校などで小論文対策授業を取ることをおすすめします。
もし学部を変更するなどの場合にも、そのたびにしっかり傾向を確認するようにしましょう。
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